稲垣吾郎「僕のことをそこまでわかっていてくれて!」自身を題材にした詩に大感激[ゴロウ・デラックス]

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(45)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に1日、詩人の最果タヒさんが出演した。最果さんが稲垣さんを題材に詩をつくり、稲垣さんが大感激する一幕があった。

■謎のベールに包まれた詩人

 この日のゲスト最果タヒさんは、ブログやツイッターなどインターネットを駆使して発信し、若者たちを魅了している新世代の詩人。詩集が映画化もされ、最近ではアーティストへの歌詞提供も行っている。

 しかし最果さんは素顔を明かしていない。この日の番組でもゲスト席には「編みぐるみ」が置かれ、声だけの出演となった。そして素顔を明かさない理由について「作品の向こう側に作者の顔が見えるのは好きではなかった」と語る。「教科書とかで文章を読んだとき作者の顔写真が載っているのにがっかりした。自分の中で掴みかけていたものが、急にその人のものになってしまう。『この作者のお話でした』と完結してしまうのがすごく嫌だったので、私はできるだけ顔を出さない」と自分の存在を表に出したくない理由を丁寧に解説した。

 それに対し稲垣さんは「僕らでいうと舞台のカーテンコール。出て行く時、あんまり素を見せちゃいけないんじゃないか。それを見たい人もいれば余韻を楽しみたい人がいる。そういう感覚とも近いのかな」と自分の立場に置き換え理解を示した。

■一人でいいんだ

 稲垣さんは番組冒頭で「僕作品が好きなのでお会いできるのを楽しみにしていました」とファンであることを告白。「根本に流れているものも僕は好き。人は一人で生まれてきて一人で死んでいくという当たり前の事なんだけど、一人だからこそ、孤独だからこそ美しいとずっと思っていて。それでいいんだっていう気持ちにさせてくれる」と最果さんの詩に通底する価値観に賛同した。

 それを受け最果さんは「仲良し最高!が苦手」で「喋るのが超嫌いな子供」だったと語る。しかしある時期に出会った音楽の歌詞に感銘を受けたという。「理解してもらわなくていいってスタンスで書かれている文章に出会って。分かんなくてもかっこいい言葉ってあるんだなと刺激を受け、詩を書き始めた」と「共感から逃げようとして出会ったのが詩」だったと詩との出会いを振り返った。

■稲垣吾郎を題材に

 番組ではこの日の課題図書『天国と、とてつもない暇』(小学館)のなかから、稲垣さんが一番好きな詩を朗読した。稲垣さんは「選ぶのが大変だった」と告白しながら、他人との関係を宇宙や星になぞらえた詩「星」を選んだ。最果さんはその詩で使われているひらがなと漢字の印象の違いについて解説。また「縦書きや横書きの違い」や「詩を書き直すことがあるのか」「詩が浮かぶのはどんなときか」など詩作全般にまつわる秘話も多数明かしていた。

 さらに最果さんは稲垣さんを題材に詩を書き、番組で披露。「2月の朝の詩」と題されたその詩は「まなざしで、触れることを知っている人」ではじまる。稲垣さんのブログに度々登場する「花」にインスピレーションを受け、触れることのできない物を愛でる稲垣さんの姿勢を詠ったもの。「見ることだけで愛でる」「尊敬することで愛でる」と最果さんは稲垣さんのスタイルとその詩に込めた思いを解説。稲垣さんは「すごい、嬉しい感動した! ありがとう!」「僕のことをそこまでわかっていてくれて」と大感激。そして「これ僕が書きたかったな。なんでこれが自分から出なかったのか。こういうこと思っているのに」と喜びながらも悔しさをにじませていた。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58に放送中。次回は3月7日。ゲストは山崎ナオコーラさん。課題図書は『文豪お墓まいり記』(文藝春秋)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2019年3月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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