一流の存在感がある女性が意識する「感謝」と「叱り方」のルールとは?――「自分の魅力」を最高に引き出すテクニック

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(photo by acworks/photoAC)

「軽く見られてしまう」「自分に自信が持てない」「ワンランク上のステージに」

もし、あなたがこうしたことに悩み、課題を感じているなら、本書で紹介する「エグゼクティブ・プレゼンス」はきっと役に立つはずです。

(『「一流の存在感」がある女性の振る舞いのルール』、はじめにより)

著書『「一流の存在感」がある女性の振る舞いのルール』の中でこう述べているのは、日本初の「プレゼンスコンサルタント」として活躍する丸山ゆ利絵さん。「エグゼクティブ・プレゼンス」を身につけること、磨くことを目的としたコンサルティングや企業研修を手がけている人物です。

近年、外資系企業の社員や営業パーソン、弁護士や会計士といったキャリア女性から熱い注目を集めている「エグゼクティブ・プレゼンス」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

「エグゼクティブ・プレゼンス」とは、「社会的な地位、職位や社格、専門性にふさわしい存在感」のことです。「オーラ」という表現が最もわかりやすいかもしれません。出会った瞬間に、仕事ができそうな印象を受ける、「なにかが違う」と品格や貫禄を感じさせるオーラのようなものです。

(本書、はじめにより)

役職が上がったり、仕事の専門性が高くなるにつれて、重要な顧客との商談や会食、業界の会合やパーティなどに出席し、企業の顔としてふるまう機会が増えていきます。そこで、洗練された振る舞いができるかどうかで、周囲への印象は大きく変わります。

そうした環境のなかで、「エグゼクティブ・プレゼンス」がキャリア女性にも求められるようになっています。エグゼクティブ・プレゼンスを発揮できれば、企業としての信頼感につながり、ひいてはビジネスチャンスにもつながるのです。

本書のCHAPTER5「『安心』で人を動かすコミュニケーション」より、その具体的な方法を見てみましょう。

「声のトーン」が変われば「評価」も変わる

「女性は感情でモノをいう」とまことしやかに語られます。しかし、男性でも感情的になりやすい人もいるはずです。それなのに、なぜ女性だけが「感情的」といわれてしまうのでしょうか。 

丸山さんは、「女性ならではの声の高低やスピードが、相手に感情的な人だという印象を抱かせやすい側面がある」と指摘します。

そのため、女性は話の内容はもちろんのこと、感情的に聞こえてしまう話し方をしないように意識する必要があります。大切なのは低い声でゆっくり話して、声のトーンで「落ち着き」を演出することです。ゆっくりと、意識に染み入るように話すことで、相手の意識に入り込み理解してもらいやすくなります。

第一印象が決まる初対面のときだけでなく、商談や会議など、様々な場面で低い声でゆっくり話すようにするだけでも、聞き手からの「評価」は格段によくなるはずです。

「ありがとう」+フィードバックで、周りと差をつける

感謝の表現は「エグゼクティブ・プレゼンス」にとって欠かせないものです。

元々、女性は男性と比べて、周りにお礼をいう習慣が自然と身についている人が多いでしょう。そのとき、「ありがとう」に「プラスの言葉」を加えると、周りの人により気持ちよく動いてもらいやすくなります。

具体的には、部下やメンバーに「ありがとう、助かりました」だけではなく、「今日はありがとう。さきほどのプレゼン中に適切なタイミングで○○に言及してくれたおかげで、商談がうまくまとまりました」というように感謝の理由をフィードバックするのです。

このとき、どの行動に対して感謝しているのかを具体的な言葉で相手に伝えましょう。そうすれば、部下は「細かいところまできちんと見てくれている人だな」とうれしくなって自信につながりますし、自然と「またこの人のサポートをしよう」とモチベーションも高まります。

このフィードバックを身につけられれば、たとえ注意や指導をしなくてはいけない場面があったとしても、育まれた信頼感によって、部下はネガティブともいえる情報も受け入れやすくなります。

「ありがとう」だけで終わらせずに「プラスの一言」を工夫すると、日常の人間関係であなたの存在感は一際輝くはずです。フィードバックのスキルをぜひ身につけましょう。

「状況・行動・能力」を意識して叱る

感謝の場面以上に、人間としての器が出るのが「叱る」ときです。

上司が、「頼んだ書類ができていない」ことで部下を叱るとします。部下がいちばん傷つく叱り方はどれだと思いますか?

1. あなたに頼んだ書類がつくられていない

2. あなたが書類をつくっていない

3. あなたには書類をつくる力がなかった

4. あなたは書類をつくろうともしなかった

5. 書類をあなたに頼むのではなかった。もうあなたには頼まない。

叱られた部下の気持ちを想像してみたとき、1から5にいくにつれ、だんだんと強く心に痛みを感じたのではないでしょうか。

これらの叱り方はそれぞれ「1. 状況、2. 行動、3. 能力 、4. 仕事への姿勢、5. 存在価値(生き方)」について言及しており、受け取り手に与えるダメージが違うためです。

否定されて叱られるとしても、「書類がつくられていない」という「状況」のように自分と関わりはあるものの自分そのものではないことや、「つくっていない」という「2. 行動」であれば、次回に改善することで失敗を取り返せる感覚があります。

しかし、「3. 能力」のように人としての優劣を決める叱り方をすれば、相手は深刻に受け取めます。人を叱るときには「これができないあなたはダメ」という言い方はめったにしてはいけないのです。

さらに「あなたは書類をつくろうとしなかった。そんなあなたはもういらない」などと「4. 仕事への姿勢」「5. 存在価値(生き方)」について非難するようないい方をしてしまうと、相手から非常に強い反発が返ってきます。

これは、反射的な無意識の反応であり、たとえ相手に「あなたを否定しているわけではない」と言葉でいっても、すでに生まれてしまった相手の感情を和らげることはできません。叱っているほうに、そんなつもりはなかったとしても、相手は深く傷ついています。

相手の感情へのダメージが大いほど、仕事へのモチベーションを下げる可能性があります。だからこそ、叱るときは「1. 状況」について注意を喚起するくらいにとどめておき、深刻に怒るとしても相手の「2. 行動」までです。「3. 能力」や「4. 仕事へ姿勢」について言及しないように、細心の注意を払いましょう。

ほめるときもこの感情への影響を考えながら行うと効果的です。ほめるときには、逆に「1. 状況」や「2. 行動」にとどまらず、「5. 存在価値(生き方)」「4. 仕事への姿勢」「3. 能力」に焦点を当てると、本人のモチベーションは大きく上がります。

 ***

様々な場面でちょっとした「振る舞いのルール」を意識して実践すれば、「エグゼクティブ・プレゼンス」は誰でも身につけられます。

『「一流の存在感」がある女性の振る舞いのルール』では、仕草、服装、言動、対話などのカテゴリごとに41のテクニックが紹介されています。どれもすぐに実践できるものばかりです。自分の魅力を引き出して、もうワンランク上の自信を手にしたい女性に役立つ1冊になるでしょう。

日本実業出版社
2019年3月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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