藤原正彦「孤独によって思考や情緒が深まる」子供のスマホ依存に警鐘[新書ベストセラー]

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 4月2日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『一切なりゆき 樹木希林のことば』が獲得した。
 第2位は『妻のトリセツ』。第3位は『国家と教養』となった。

 3位の『国家と教養』の著者・藤原正彦さんは3月31日に放送された「報道プライムサンデー」(フジテレビ)に出演し話題となった。番組で藤原さんはバイトテロ事件や子供のインターネット利用について語りながら、現代の状況は「教養のない民主主義」が進行していると警鐘を鳴らした。またインターネットには無限の情報があるが、《選択する方法を知らないとゼロと同じ》という。《99.9999…%は無益なナンセンス情報。そこから何を選ぶか、それには知識や教養が必要。これからは情報をいかに得るかではなく、いかに選択するかという時代にはいっていく》と説いた。

 さらにスマートフォンにより子供の孤独な時間が無くなっていると語り、《人間っていうのは青春の時期まで孤独によって思考や情緒が深まる。これが一番大きな(問題)》とコメント。その解決方法として《力づくで取り上げる、これこそ法律で全国の学校で禁止する。そして孤独を味わわせる。そうやってはじめて悲しみや辛さ、いろんな情緒、涙を流す時間がでてくる》と持論を述べた。SNSでは藤原さんの意見に共感する声が多く聞かれ、子供のスマホ依存に対抗するには強硬な措置も必要だとの意見も見受けられる。

■新書 ノンフィクションランキング

1位『一切なりゆき 樹木希林のことば』樹木希林[著](文藝春秋)

芝居の達人、人生の達人 今年、惜しくも世を去った名女優が語り尽くした生と死、演技、男と女。それはユーモアと洞察に満ちた樹木流生き方のエッセンスです。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『妻のトリセツ』黒川伊保子[編]著[著](講談社)

理不尽な妻との上手な付き合い方とは。女性脳の仕組みを知って戦略を立てよう! 妻が怖いという夫が増えている。ひとこと言えば10倍返し。ついでに10年前のことまで蒸し返す。いつも不機嫌で、理由もなく突然怒り出す。人格を否定するような言葉をぶつけてくる。夫は怒りの弾丸に撃たれつづけ、抗う気さえ失ってしまう。夫からすれば甚だ危険で、理不尽な妻の怒りだが、実はこれ、夫とのきずなを求める気持ちの強さゆえなのである(俄には信じ難いが)。本書は、脳科学の立場から女性脳の仕組みを前提に妻の不機嫌や怒りの理由を解説し、夫側からの対策をまとめた、妻の取扱説明書である。「妻が怖い」「妻の顔色ばかりうかがってしまう」「妻から逃げたい」という世の夫たちが、家庭に平穏を取り戻すために必読の一冊でもある。(講談社ウェブサイトより)

3位『国家と教養』藤原正彦[著](新潮社)

「教養」とは、世の中に溢れるいくつもの正しい「論理」の中から最適なものを選び出す「直感力」、そして「大局観」を与えてくれる力だ。では教養を身につけるためにはどうしたら良いのか。教養の歴史を概観し、その効用と限界を明らかにしつつ、数学者らしい独創的な視点で「現代に相応しい教養」のあり方を提言する。大ベストセラー『国家の品格』の著者が放つ画期的教養論。(新潮社ウェブサイトより)

4位『お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する』ジム・ロジャーズ[著]大野和基[訳](PHP研究所)

5位『役所は教えてくれない定年前後「お金」の裏ワザ』荻原博子[著](SBクリエイティブ)

6位『仕事と心の流儀』丹羽宇一郎[著](講談社)

7位『年金だけでも暮らせます 決定版・老後資産の守り方』荻原博子[著](PHP研究所)

8位『白秋期 地図のない明日への旅立ち』五木寛之[著](日本経済新聞出版社)

9位『なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議』半藤一利[著](文藝春秋)

10位『世界史の新常識』文藝春秋[編](文藝春秋)

■新書 ノベルスランキング

1位『約束のネバーランド ママたちの追想曲』白井カイウ[原作]七緒[小説]出水ぽすか[作画](集英社)

2位『約束のネバーランド ノーマンからの手紙』白井カイウ[原作]七緒[小説]出水ぽすか[作画](集英社)

3位『覇権交代(3) ハイブリッド戦争』大石英司[著](中央公論新社)

4位『月神の愛でる花  雛鳥が微睡む庭』朝霞月子[著](幻冬舎コミックス発行/幻冬舎発売)

5位『十津川警部 郷愁のミステリー・レイルロード』西村京太郎[著](徳間書店)

6位『硫黄島航空戦線 覇者の戦塵1945』谷 甲州[著](中央公論新社)

7位『信州・善光寺殺人事件』梓林太郎[著](光文社)

8位『鬼滅の刃 しあわせの花』吾峠呼世晴[原作]矢島 綾[著](集英社)

9位『富山地方鉄道殺人事件』西村京太郎[著](新潮社)

10位『十津川警部 坂本龍馬と十津川郷士中井庄五郎』西村京太郎[著](集英社)

〈新書 ノンフィクション / 新書 ノベルス ランキング 4月2日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年4月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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