芥川賞作家が語った「テクノロジーと人類の未来」[文芸書ベストセラー]

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5月14日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『そして、バトンは渡された』が獲得した。
第2位は『すぐ死ぬんだから』。第3位は『余物語』となった。

4位以下で注目は8位にランクインした『ニムロッド』。第160回芥川賞を受賞した作品だ。著者の上田岳弘さんが5月7日NHKのニュース番組「おはよう日本」に出演し「テクノロジーと人類の未来」について語り話題となった。同作で上田さんは人工知能ですべてが効率的に動く社会を描き、そのなかで個人が個人である意味をなくし、境界があいまいになるという衝撃的な未来を描いている。上田さんは番組で人間がより豊かな生活を望み完璧を目指すと、最も効率の良い形が重視されるため、多様性が無くなると語った。しかしあえて効率のみを重視しない人間的なこだわりや執着こそがこれからの時代には必要と、令和の時代の生き方について考えを述べた。

1位『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ[著](文藝春秋)

私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『すぐ死ぬんだから』内館牧子[著](講談社)

78歳の忍(おし)ハナは夫岩造と東京の麻布で営んでいた酒店を息子雪男に譲り、近所で隠居生活をしている。年を取ることは退化であり、人間60代以上になったら実年齢に見られない努力をするべきだ、という信条を持つハナは美しさと若さを保っており、岩造は「ハナと結婚してよかった」が口癖の穏やかな男だ。雪男の妻由美には不満があるが、娘の苺や孫の雅彦やいづみにも囲まれて幸せな余生を過ごしているハナだったが、ある日岩造が倒れたところから、思わぬ人生の変転が待ち受けていた。人は加齢にどこまで抗えるのか。どうすれば品格のある老後を迎えられるのか。『終わった人』でサラリーマンの定年後の人生に光を当てた著者が放つ新「終活」小説!(講談社ウェブサイトより)

3位『余物語』西尾維新[著](講談社)

“斧乃木余接とも、思えば長い付き合いになった” 老倉育に児童虐待の専門家に仕立て上げられた阿良々木暦は、家住准教授から相談を持ち掛けられる。我が子を檻に入れたまま三日も家に帰っていないという。わけあって斧乃木余接と現場に急行した彼が、そこで見たものは。これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!(講談社ウェブサイトより抜粋)

4位『聖女の魔力は万能です(4)』橘 由華[著](KADOKAWA)

5位『平場の月』朝倉かすみ[著](光文社)

6位『ひと』小野寺史宜[著](祥伝社)

7位『転生したらスライムだった件(14)』伏瀬[著](マイクロマガジン社)

8位『ニムロッド』上田岳弘[著](講談社)

9位『鹿の王 水底の橋』上橋菜穂子[著](KADOKAWA)

10位『シーソーモンスター』伊坂幸太郎[著](中央公論新社)

〈単行本 文芸書ランキング 5月14日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年5月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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