『本当の翻訳の話をしよう』村上春樹、柴田元幸著 レビュー 産経新聞 [レビュー] (評論・文学研究) 『本当の翻訳の話をしよう』 著者 村上春樹 [著]/柴田元幸 [著] 出版社 スイッチパブリッシング ISBN 9784884184667 発売日 2019/05/09 価格 1,980円(税込) ネット書店で購入する 書籍情報:openBD 『本当の翻訳の話をしよう』村上春樹、柴田元幸著 [レビュアー] 産経新聞社 世界的な人気作家と名翻訳家が、20世紀のアメリカ文学を中心に翻訳と小説の妙味を語り合う。米国での小説出版事情や日本での文芸翻訳史にも触れられる。 村上春樹さんが邦訳した米作家レイモンド・チャンドラーの長編『プレイバック』をめぐる対話が興味深い。村上さんは語り手の一人称「I」を、「僕」でも「俺」でもなく「私」と訳した理由を語り、〈僕も『騎士団長殺し』では「私」という一人称を使うようになり、うつったのかな〉。翻訳の議論は自然と小説の読解をめぐる話へと発展し、随所で奥深い創作論が展開される。(スイッチ・パブリッシング・1800円+税) 2019年6月2日 掲載 ※この記事の内容は掲載当時のものです 村上春樹 柴田元幸 産経新聞社 スイッチパブリッシング 本当の翻訳の話をしよう