『雨の科学』
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【気になる!】文庫 『雨の科学』
[レビュアー] 産経新聞社
梅雨の季節。災害や農作物への影響なども気になるが、一方で雨の面白さ、大切さにも関心を持ちたい。
雨粒はどんな形で、大きさはどれくらいか、雲粒との違いは…。本書では、〈「雲をつかむ研究」の第一人者〉だった著者が、「雲から雨が降る」自然現象の仕組みをはじめ、ゲリラ豪雨のメカニズム、温暖化との関係なども解説する。
著者没後の平成17年に刊行された気象学入門書の文庫化だが、その後の研究成果なども解説で補われている。古来、日本の文化、生活を育んできた雨や雪と今後どう共生していくのかも考えさせられる。(武田喬男著、講談社学術文庫・960円+税)