50歳男女の切ない恋愛を描いた直木賞候補作に注目集まる[文芸書ベストセラー]

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 6月25日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『ノーサイド・ゲーム』が獲得した。
 第2位は『そして、バトンは渡された』。第3位は『百花』となった。

 4位以下で注目は4位にランクインした『平場の月』。6月17日に発表された第161回直木三十五賞の候補となった一作。著者の朝倉かすみさんは初の直木賞候補。同作は今年5月には第三十二回山本周五郎賞を受賞している。バツイチでともに50歳の男女を主人公とし、切ない恋愛を描いた話題作。多くの書評家から絶賛されており、作家で女優の中江有里さんは《過去を辿っていくにつれ、最初から明かされている結末が辛い。若くなくなってからの方が恋愛は滋味深く、忘れがたい。》と評し昨年末に年末年始にお勧めの5冊に選出している。また、ライターの瀧井朝世さんは《一人は病と闘いながら自分の気持ちを密かに整理し、一人はそんな相手を淡々と支える。若い頃の恋愛とはまた違う、人間同士の慈しみが二人の関係を育んでいく。おのれの孤独を引き受けながらも誰かを求める大人の寂しさと優しさが、じわじわと行間から伝わってくる。二人の関係の結末は冒頭ですでに明かされており、だからこそ、読者は彼らの緩やかな歩みの一歩一歩を愛おしく感じるはずだ。思いやりを与え合えた二人の時間が、胸に沁みてくる》と評している。
https://www.bookbang.jp/review/article/562199
https://www.bookbang.jp/review/article/562156

1位『ノーサイド・ゲーム』池井戸潤[著](ダイヤモンド社)

池井戸潤最新作! 2019年7月放映、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」(TBS日曜劇場)の原作。経営戦略室から左遷された男が挑む??。低迷ラグビー部を“経済的に”立て直せ!(ダイヤモンド社ウェブサイトより)

2位『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ[著](文藝春秋)

私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。(文藝春秋ウェブサイトより)

3位『百花』川村元気[著](文藝春秋)

「あなたは誰?」息子を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく息子。ふたりには忘れることのできない“事件”があった――。現代に新たな光を投げかける、愛と記憶の物語。『世界から猫が消えたなら』『億男』『四月になれば彼女は』の著者、待望の最新刊!(文藝春秋ウェブサイトより)

4位『平場の月』朝倉かすみ[著](光文社)

5位『いずれ最強の錬金術師?(5)』小狐丸[著](アルファポリス発行/星雲社発売)

6位『異世界はスマートフォンとともに。(17)』冬原パトラ[著](ホビージャパン)

7位『ひと』小野寺史宜[著](祥伝社)

8位『意味が分かると震える話』藤白圭[著](河出書房新社)

9位『炎天夢 東京湾臨海署安積班』今野敏[著](角川春樹事務所)

10位『魔物を従える“帝印”を持つ転生賢者 かつての魔法と従魔でひっそり最強の冒険者になる』苗原 一[著](一二三書房)

〈単行本 文芸書ランキング 2月21日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年6月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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