第161回芥川・直木賞受賞作が初登場[文芸書ベストセラー]

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 7月30日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『夏の騎士』が獲得した。
 第2位は『希望の糸』。第3位は『てんげんつう』となった。

 4位以下で注目は6位に初登場の『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』と8位に初登場の『むらさきのスカートの女』。前者は第161回直木賞を受賞、後者は同じく第161回芥川賞を受賞した作品だ。

『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』は著者の大島真寿美さん初の時代小説。人形浄瑠璃作者、近松半二の生涯を描く。同作について書評家の豊崎由美さんは、《浄瑠璃作者として生き抜いた男の生涯を、虚実混淆の渦の中に描き、読んで無類に面白い小説になっている》と述べる。《物語はどこからやってくるのか、さまざまな人間の思いや感情が渾然となった“渦”から言葉を引きずり出してくるのが作者と呼ばれる者なのかといった、創作論にもなっていて深い。大島真寿美のもとにも、いつか、ふいに近松半二が降りてきたのだろう。そう思えるほど、この小説の中の半二は生きている。これは大島にとっての「妹背山婦女庭訓」にちがいない。代表作と呼べる素晴らしい作品にちがいない。》と評している。
https://www.bookbang.jp/review/article/567183

『むらさきのスカートの女』の著者は今村夏子さん。これまでも『あひる』(KADOKAWA)や『星の子』(朝日新聞出版)でさらりとした文体ながら日常に潜む不安や違和感を描写してきた。今作も「むらさきのスカートの女」と呼ばれている女性に偏執的に近づこうと画策する主人公が描かれ、奇妙な読後感を残す作品に仕上がっている。

1位『夏の騎士』百田尚樹[著](新潮社)

人生で最も大切なもの。それは、勇気だ。ぼくが今もどうにか人生の荒波を渡っていけるのは、31年前の出来事のおかげかもしれない――。昭和最後の夏、ぼくは仲の良い友人2人と騎士団を結成する。待ち受けていたのは、謎をめぐる冒険、友情、そして小さな恋。新たなる感動を呼び起こす百田版「スタンド・バイ・ミー」、遂に刊行。(新潮社ウェブサイトより)

2位『希望の糸』東野圭吾[著](講談社)

東野圭吾の最新長編書き下ろしは、「家族」の物語。「死んだ人のことなんか知らない。あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。(講談社ウェブサイトより)

3位『てんげんつう』畠中 恵[著](新潮社)

病弱若だんなの許嫁・於りんの実家から人がいなくなっちゃったってぇ! まさか一家で夜逃げ……? こんな一大事に、兄やの仁吉は嫁取りを強要され、しかもお相手は天狗の姫!? さらに、突然現れた千里眼を持つ男は、若だんなに「救ってくれないと不幸にする」と宣言するし……。剣呑な風が吹き乱れるシリーズ第18弾!

4位『ノーサイド・ゲーム』池井戸潤[著](ダイヤモンド社)

5位『とんでもスキルで異世界放浪メシ(7)』江口 連[著](オーバーラップ)

6位『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』大島真寿美[著](文藝春秋)

7位『さよならの儀式』宮部みゆき[著](河出書房新社)

8位『むらさきのスカートの女』今村夏子[著](朝日新聞出版)

9位『チンギス紀(5) 絶影』北方謙三[著](集英社)

10位『クジラアタマの王様』伊坂幸太郎[著](NHK出版)

〈単行本 文芸書ランキング 7月30日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年8月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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