今年のベスト新書となるか?『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』が異例の売れ行き[新書ベストセラー]

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 7月30日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『一切なりゆき 樹木希林のことば』が獲得した。
 第2位は『人間の本性』。第3位は『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』となった。

 3位の『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』は第二次大戦のドイツとソ連の間の戦争で何が行われたのか、具体的な数字をあげながら戦争のもたらした惨禍を解説した一冊。通常の戦争に加え、資源を奪う収奪戦争、世界観の違う相手を皆殺しにするための絶滅戦争の3つの側面があると説き、SNSには「複雑な独ソ戦の意味がようやく理解できた」との感想が多数あがっている。SNSでの評判が売れ行きに繋がり、馴染みの薄い複雑なテーマを明解に解説したという点においても、2017年に大ヒットとなった『応仁の乱 – 戦国時代を生んだ大乱』(中央公論新社)と似た売れ方を見せている。実業家で書評サイト代表の成毛眞さんも自身のFacebookで《本書が2019年ベスト新書になると思う》と絶賛している。

■新書 ノンフィクションランキング

1位『一切なりゆき 樹木希林のことば』樹木希林[著](文藝春秋)

芝居の達人、人生の達人 今年、惜しくも世を去った名女優が語り尽くした生と死、演技、男と女。それはユーモアと洞察に満ちた樹木流生き方のエッセンスです。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『人間の本性』丹羽宇一郎[著](幻冬舎)

コンピュータやAIは目まぐるしく進化しているが、それらをコントロールする人間ははたして進化しているといえるだろうか。年を重ねても人を妬んだり恨んだりと自己中心的な他人を見て落胆しつつ、同様に成長していない自分に愕然とする。このような人間の心のあり方は時代が変わっても普遍的なテーマであることに変わりはなく、だからこそ古今東西の哲学者が「人間とは何か」を探求し続けているのだ。この深遠な問いと人間の生き方について伊藤忠商事前会長、元中国大使で稀代の読書家でもある著者が、その豊富な人生経験から考察した一冊。(幻冬舎ウェブサイトより)

3位『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』大木毅[著](岩波書店)

「これは絶滅戦争なのだ」.ヒトラーがそう断言したとき,ドイツとソ連との血で血を洗う皆殺しの闘争が始まった.日本人の想像を絶する独ソ戦の惨禍.軍事作戦の進行を追うだけでは,この戦いが顕現させた生き地獄を見過ごすことになるだろう.歴史修正主義の歪曲を正し,現代の野蛮とも呼ぶべき戦争の本質をえぐり出す.(岩波書店ウェブサイトより)

4位『未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること』河合雅司[著](講談社)

5位『実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた』橋下徹[著](PHP研究所)

6位『シリーズ アメリカ合衆国史(2)南北戦争の時代 19世紀』貴堂嘉之[著](岩波書店)

7位『新聞という病』門田隆将[著](産経新聞出版)

8位『モンテーニュ 人生を旅するための7章』宮下志朗[著](岩波書店)

9位『リハビリ 生きる力を引き出す』長谷川幹[著](岩波書店)

10位『キレる! 脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』中野信子[著](小学館)

■新書 ノベルスランキング

1位『鬼滅の刃 しあわせの花』吾峠呼世晴[原作]矢島綾[著](集英社)

2位『約束のネバーランド ママたちの追想曲』白井カイウ[原作]七緒[小説]出水ぽすか[作画](集英社)

3位『約束のネバーランド ノーマンからの手紙』白井カイウ[原作]七緒[小説]出水ぽすか[作画](集英社)

4位『十津川警部 追憶のミステリー・ルート』西村京太郎[著](徳間書店)

5位『僕のヒーローアカデミア 雄英白書 祭』堀越耕平[原作]誉司アンリ[著](集英社)

6位『ONE PIECE novel A(1) スペード海賊団結成篇』尾田栄一郎[原作]ひなたしょう[著](集英社)

7位『ONE PIECE novel A(2)新世界篇』尾田栄一郎[原作]浜崎達也[著](集英社)

8位『NARUTO-ナルト- カカシ烈伝 六代目火影と落ちこぼれの少年』江坂純[著]
岸本斉史[原作](集英社)

9位『狐の告白 狸の添い寝 眷愛隷属』夜光花[著](リブレ)

10位『Dr. STONE 星の夢、地の歌』稲垣理一郎[原作]Boichi[作画]森本市夫[著](集英社)

〈新書 ノンフィクション / 新書 ノベルス ランキング 7月30日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年8月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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