『証言イチロー 「孤高の天才」の素顔と生き様』別冊宝島編集部編
[レビュアー] 産経新聞社
今年45歳で引退したイチローの関係者28人による証言集。
国民栄誉賞を辞退した共通点がある福本豊(元阪急)の話が面白い。「1回いらんと言ったら2、3回目も。あの頑固さは理解できる」と。同じチーム(イチローは後身のオリックス)、ともに俊足巧打堅守の1番バッターだった2人。あらゆる記録でイチローに抜かれた福本が「盗塁(数)だけは(抜こうとして)抜けなかった」としているのは、世界記録(当時)樹立者の意地だろう。ところが、立浪和義(元中日)はイチローから聞いた話として「あえて盗塁数を抑えていた」の証言も。真相はどっち?(宝島社・1500円+税)