『幻島図鑑 不思議な島の物語』清水浩史著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

『幻島図鑑 不思議な島の物語』清水浩史著

[レビュアー] 産経新聞社

 著者は幻のような美しさを秘めた小さな島を幻島(げんとう)と呼び、日本の17島にまつわる物語をつづった。

 広島県東広島市にある無人島「ホボロ島」。全長約100メートルの無人島は満潮時に大半が海に沈んでしまうという。岩に巣穴を掘る小さな生き物や波による浸食で100年後には消滅するとも。

 先端部が艦首のようにとがり立ち著者が「孤高のフォルム」と形容する「見附島」(石川県)やすでに海底に沈んでしまったといわれる「鴨島」(島根県)なども紹介。無人島の旅を続ける著者の島々との対話は、ミステリアスでいとおしい。(河出書房新社・1600円+税)

産経新聞
2019年8月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク