頑張らなくてもお腹が凹む! 「やせる食べ方」とは?――ダイエット外来の医師にお話を聞いてみました。

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(photo by FineGraphics/photoAC)

減量外来を開設する医師、工藤孝文先生はこれまでのべ10万人以上にダイエット指導をし、自身も25キロのダイエットに成功しています。

その工藤先生が提唱しているのが「内臓脂肪」を減らす生活習慣。無理せず、我慢しないでやせることができるコツを、工藤先生にうかがいました。

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やせたいのに、食べたい。

ダイエッターはこの大いなる矛盾と日々戦っています。私も25キロのダイエットを成功させる前は、仕事のストレスなどを理由に暴飲暴食し、食べていることは棚にあげて「どうしてやせないんだろう」と悩んでいたのでよくわかります。

「やせたいけど、やせられない」という人は多いですね。なぜやせることは難しいのでしょうか。それは、ダイエットが人間が生まれ持った強固なプログラムに逆らうことだからです。

よく言われることですが、原始時代から近代化するまで、人類の最大の敵は「飢餓」でした。数万年にわたる飢餓時代を生き抜く過程で、私たち人間には、隙あらばエネルギーを貯め込もうという仕組みがプログラムされました。

つまり、人体にとっては太ることは手放しに「良いこと」なのです。

逆に言うと、やせることは、人体にとっては「悪いこと」であり、生物学的には死に近づくことでもあります。現代の日本は飽食の時代になっていますが、私たちに組み込まれたプログラムは変わりません。

人間にとって、太っていることは必ずしもマイナスではないのですが、「問題な太り方」も存在します。

それが『毎日100gダイエット!内臓脂肪を減らす食べ方』のテーマである「内臓脂肪」太りです。(書籍URL:https://www.njg.co.jp/book/9784534057068/

内臓脂肪は、言葉のイメージから内臓の中にある脂肪だと思っている人もいますが、蓄積されるのは腸の周辺です。

したがって、内臓脂肪が増えると「お腹が出ている=メタボ」状態になります。

まずは、内臓脂肪が人体に及ぼす悪影響から考えていきましょう。

“デブ”と“病気”の主犯は内臓脂肪

1.内臓脂肪は「やせホルモン」を殺す!

内臓脂肪が増える一番のデメリットは「役立つホルモンの動きを悪くする」ということ。

本来、内臓脂肪が分泌するホルモンは、身体の機能を維持するために働きます。しかし、肥満によって内臓脂肪が大型化したり増えてしまうと、食欲を抑える「レプチン」や脂肪を燃焼させる「アディポネクチン」など、いわゆる「やせホルモン」の働きが弱くなってしまうのです。

そうなると、やせにくく太りやすい「デブ・スパイラル」を招いてしまうことになります。

2.内臓脂肪は生活習慣病を引き起こす

内臓脂肪は生活習慣病の原因にもなります。

たとえば糖尿病です。前述の「アディポネクチン」は、傷ついた血管を修復したり、インスリンの働きをよくして血糖をコントロールしたりする役割も担っています。しかし、内臓脂肪が増えると分泌が減り、インスリンの効きが悪くなります。

他にも内臓脂肪が増えると、高血圧のリスクが高まったり、悪玉コレステロールが増えることで脂質異常症になったりもします。それらの生活習慣病は、ひいては動脈硬化につながって、脳梗塞や心疾患など命に関わる病を引き起こすのです。

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以上のように、内臓脂肪は「お腹が出る」「太る」のみならず、健康を脅かす存在でもあります。

でも安心してください。内臓脂肪は「つきやすく落ちやすい」脂肪です。

糖質制限や運動などの挫折しやすいダイエットをしなくても、毎日の食事や生活習慣を少し変えるだけで、内臓脂肪は減らすことができます。本書では、1日に100グラム程度ずつ体重が落ちて内臓脂肪を減らせる簡単なダイエットのコツを解説しています。その中から簡単で努力も必要ない「やせる食べ方」をいくつか紹介しますので、ぜひ試してみてください。

「やせホルモン」のスイッチをオンにする「食べ方」の新常識

・ビールの前にノンアルコールビール

「とりあえずビール!」は、やってはいけない糖質ファースト。そもそも、居酒屋での一杯目は味わうというよりは、爽快感や喉ごしを楽しむため。だったら“お酒”にこだわらず、一杯目をノンアルコールビールや炭酸水にすることで、喉の渇きをうるおし、アルコールの摂取量二杯目からのお酒の量を減らすことができます。

しかし、そもそも、ダイエット中にお酒は我慢すべきなのでしょうか?

糖質を含む日本酒やビールなどの醸造酒は太る原因になりますし、糖質ゼロのウイスキーやブランデー、ジンなどの蒸留酒も、大量に飲むと急激に血糖値が下がり、過食につながるため、医学的には「太る」とされています。

やせて健康でいたいなら、お酒は飲まないほうがいいのですが、僕のモットーは「ムリなダイエットはしない」です。ムリなことは続きません。我慢のしすぎはよくないので、お酒を飲みたいときは、飲んでください。でもそのときのおつまみは糖質の少ないメニューを選びましょう。

食物繊維とビタミンB群が豊富な枝豆、タンパク質が豊富な焼き鳥やお刺身、血糖値の上昇を抑えるお酢や梅干しを使った料理などをうまく組み合わせるといいでしょう。

・健康・美容のためには小さじ1杯の「体にいい油」をとる

内臓脂肪を減らすためには、「油」の摂取量を減らすべきだと思い込んでいる方も多いのではないのでしょうか。

しかし、やせたい・美しくなりたい方にこそとってほしい油があります。それが、「オメガ3脂肪酸」が多い油。具体的には、えごま油、アマニ油などに多く含まれています。

えごま油やアマニ油は、一日の食事に小さじ一杯(約4グラム)取り入れるのがおすすめです。ヨーグルトや味噌汁、コーヒー、納豆、野菜のおひたしやサラダなどにかけると食べやすくなります。

・おやつに食べる「やせフード」を決めておく

「あれも食べちゃダメ、これも食べちゃダメ」と「食べないもの」を決めるよりも、食べすぎを防ぐ効果の高い「やせフード」を決めることこそ、ダイエット成功のカギとなります。

血糖値が上がりにくいチーズやナッツをはじめ、ヨーグルトにおからパウダーをかけたものもお腹で膨らみ腹持ちがよくおすすめです。他には、緑茶とコーヒーを1:1で割った緑茶コーヒーもおすすめ。私も、この緑茶コーヒーで25キロのダイエットに成功しました。

・「1975年の和食」でやせる!

東北大学の都築毅准教授(食品機能学)らの研究チームが、厚生労働省の資料を基に日本人の食事を調査したところ、1975年の和食が最も健康効果が高く、老化を遅らせ、肥満を抑える効果が高いことを突き止めました。

実際、肥満と診断された成人男性の割合は1975年は17%と、平成17年(約30%)のおよそ半分。その秘密は、当時の和食が、昔ながらの献立に洋食を“ちょっと”取り入れていたことにありました。

一汁三菜を基本とする日本の伝統的な和食は、タンパク質が少ないことが欠点でした。そこに、肉類や卵などを使った洋食料理をちょっと加えることで、絶妙に理想的な栄養バランスを実現させ、肥満防止や長寿につながっていたのです。


『毎日100gダイエット!内臓脂肪を減らす食べ方』97ページより

・とにかく「1割減らす」を心がけよう

最後に、とても効果のある方法をお伝えします。それは、食べ方の大方針を「1割減らす」こと。と言われても、毎回食事の量をはかるのは面倒だし、どうすれば…? と思いますよね。まずは、お皿にのっているものを「1割残す」ことから始めます。お子さんなど一緒に食事をする人は、最初に一口分あげてしまうのもいいかもしれません。食材の買い物に行く際や料理を作る際に、1割減らすことを意識してみるのも良いでしょう。

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大切なのは、とにかく簡単で、がんばらないでできることを毎日すること。わたしが紹介する『毎日100gダイエット!内臓脂肪を減らす食べ方』には、難しいルールや激しい運動はありません。(書籍URL:https://www.njg.co.jp/book/9784534057068/)

皆さんが健康に、スマートに人生を楽しむ一助になれば幸いです。

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工藤孝文(くどう たかふみ)

減量外来・糖尿病内科医。福岡大学医学部卒。卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。帰国後は大学病院、地域の基幹病院勤務を経て、現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、地域医療を行なっている。糖尿病・肥満治療、東洋医学・漢方治療を専門とし、NHK「ガッテン! 」、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「名医のTHE太鼓判!」、フジテレビ「ホンマでっか !? TV」などに肥満治療評論家・漢方治療評論家として出演。NHK「ガッテン!」では、著者出演回が、 2018年度視聴率1位を獲得した。日本内科学会・日本東洋医学会、日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・小児慢性疾病指定医。

日本実業出版社
2019年8月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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