「特別な力を持った物語」あの村田沙耶香も驚き 『むらさきのスカートの女』

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 8月27日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『希望の糸』が獲得した。
 第2位は『夏の騎士』。第3位は『むらさきのスカートの女』となった。

『むらさきのスカートの女』は8月に入り4週連続で3位以内をキープ。第161回芥川賞を受賞した作品で、読みやすさとは逆に奇妙な読後感で話題。同じ芥川賞作家の村田沙耶香さんも読売新聞に掲載された書評で《この本を読んでいると、不安定で、奇妙な世界に入り込んだような気持ちになる》と告白。「むらさきのスカートの女」を見つめ続ける語り手の女の奇異な行動に怯えながら、《しかし、彼女の異常さを語る人はどこにもいない。「語り手」は彼女自身なのだから》とこの物語の構造自体が我々の生きている世界の不安定さを露呈させると評し、《特別な力を持った物語》と絶賛している。
https://www.bookbang.jp/review/article/578941

1位『希望の糸』東野圭吾[著](講談社)

東野圭吾の最新長編書き下ろしは、「家族」の物語。「死んだ人のことなんか知らない。あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。(講談社ウェブサイトより)

2位『夏の騎士』百田尚樹[著](新潮社)

人生で最も大切なもの。それは、勇気だ。ぼくが今もどうにか人生の荒波を渡っていけるのは、31年前の出来事のおかげかもしれない――。昭和最後の夏、ぼくは仲の良い友人2人と騎士団を結成する。待ち受けていたのは、謎をめぐる冒険、友情、そして小さな恋。新たなる感動を呼び起こす百田版「スタンド・バイ・ミー」、遂に刊行。(新潮社ウェブサイトより)

3位『むらさきのスカートの女』今村夏子[著](朝日新聞出版)

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない<わたし>は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の最新作。(朝日新聞出版ウェブサイトより)

4位『ノーサイド・ゲーム』池井戸潤[著](ダイヤモンド社)

5位『罪の轍』奥田英朗[著](新潮社)

6位『神達に拾われた男(7)』Roy[著](ホビージャパン)

7位『アラフォー賢者の異世界生活日記(10)』寿安清[著](KADOKAWA)

8位『いけない』道尾秀介[著](文藝春秋)

9位『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』大島真寿美[著](文藝春秋)

10位『三体』劉慈欣[著]立原透耶[監修]大森望、光吉さくら、ワン・チャイ[訳](早川書房)

〈単行本 文芸書ランキング 8月27日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年8月31日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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