「映画本大賞 2018」ベスト・テン 第1位は『祝祭の日々 私の映画アトランダム』

文学賞・賞

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 雑誌「キネマ旬報」が毎年、前年度に出版された映画に関する書籍の中からベスト・テンを選出する「映画本大賞」が発表された。2018年度の第1位は、高崎俊夫さんの『祝祭の日々 私の映画アトランダム」(国書刊行会)が選ばれた。

『祝祭の日々』は、映画専門の編集者として数多くの映画本を手掛ける高崎さんが、映画を軸に文学やジャズのほか、これまでに出会った人物について回想したエッセイ集。

 高崎さんは、1954年福島県生まれ。「スターログ日本版」「月刊イメージフォーラム」「一枚の繪」「AVストア」の編集部を経て、フリーランスに。編集者として手がけた本は『ニコラス・レイ ある反逆者の肖像』『ロバート・アルトマン わが映画、わが人生』『オペラとシネマの誘惑』『わが封殺せしリリシズム』『テレビの青春』『ドキュメンタリーは格闘技である 原一男VS深作欣二 今村昌平 大島渚 新藤兼人』『スクリプターはストリッパーではありません』『ニセ札つかいの手記 武田泰淳異色短編集』などがある。

 今年で15回目を迎える同賞は、映画本を改めて読者に紹介することで“映画を見る楽しみ”に留まらず、“映画を読む楽しみ”や“芸術を知る楽しみ”を伝え、映画文化に貢献することを目指して設けられた。映画雑誌「キネマ旬報」が毎年、前年度に出版された映画に関する書籍の中からベスト・テンを選出する。選考は、批評家、映画評論家、記者、書店員、編集者など24名の映画の専門家によって行われる。「キネマ旬報 映画本大賞2018」のベスト・テンは以下の通り。

第1位『祝祭の日々 私の映画アトランダム』高崎俊夫[著]国書刊行会
第2位『村山新治、上野発五時三五分 私が関わった映画、その時代』村山新治[著]村山正実[編]新宿書房
第3位 笠原和夫傑作選(全3巻)
   『第一巻 博奕打ち 総長賭博 初期~任俠映画篇』笠原和夫[著]国書刊行会
   『第二巻 仁義なき戦い 実録映画篇』笠原和夫[著]国書刊行会
   『第三巻 日本暗殺秘録 昭和史~戦争映画篇』笠原和夫[著]国書刊行会
第4位『西部劇論 その誕生から終焉まで』吉田広明[著]作品社
第5位『スクリーンの裾をめくってみれば 誰も知らない日本映画の裏面史』木全公彦[著]作品社
第6位『時の過ぎゆくままに』佐々木史朗[著]松田広子/高崎俊夫/田中ひろこ[編]ワイズ出版
第7位『あの映画に、この鉄道』川本三郎[著]キネマ旬報社
第7位『偽善への挑戦 映画監督 川島雄三』カワシマクラブ[編]ワイズ出版
第9位『そっちやない、こっちや 映画監督・柳澤壽男の世界』岡田秀則/浦辻宏昌[編著]新宿書房
第9位『ディアローグ デュラス/ゴダール全対話』マルグリッド・デュラス/ジャン=リュック・ゴダール[著]シリル・ベジャン[編]福島勲[訳]読書人
第9位『2001 キューブリック クラーク』マイケル・ベンソン[著]中村融/内田昌之/小野田和子[訳]添野知生[監修]早川書房
第12位『勝負 ニッポン映画評』北川れい子[著]浦崎浩實[編]ワイズ出版
第13位『石上三登志スクラップブック 日本映画ミステリ劇場』石上三登志[著]原正弘[編]原書房
第14位『忘れられそうで忘れられない映画』和田誠[著]ワイズ出版
第15位『映画監督 佐藤純彌 映画シネマよ憤怒ふんどの河を渉わたれ』佐藤純彌/野村正昭/増當竜也[著]DU BOOKS
第16位『いま見ているのが夢なら止めろ、止めて写真に撮れ。 大映映画スチール写真集』小西康陽[監修]DU BOOKS
第17位『オーバー・ザ・シネマ 映画「超」討議』石岡良治/三浦哲哉[編著]入江哲朗/土居伸彰/平倉圭/畠山宗明[著]フィルムアート社
第17位『幻に終わった傑作映画たち 映画史を変えたかもしれない作品は、何故完成しなかったのか?』サイモン・ブラウンド[著]有澤真庭[訳]竹書房
第19位『グレアム・グリーン ある映画的人生』佐藤元状[著]慶應義塾大学出版会
第20位『スポーツ映画トップ100』芝山幹郎[著]文春新書
第20位『日本におけるフィルムアーカイブ活動史』石原香絵[著]美学出版

Book Bang編集部
2019年6月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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