【児童書】『かなしきデブ猫ちゃん』早見和真 文、かのうかりん 絵

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かなしきデブ猫ちゃん

『かなしきデブ猫ちゃん』

著者
早見和真 [著]/かのうかりん [著]/愛媛新聞社 [編]
出版社
愛媛新聞社
ISBN
9784860871437
発売日
2019/03/25
価格
1,980円(税込)

【児童書】『かなしきデブ猫ちゃん』早見和真 文、かのうかりん 絵

[レビュアー] 三保谷浩輝

 ■被災地支援にも貢献

 松山市道後の家族に飼われるオス猫「マル」は大事に育てられ、おいしいご飯ですっかりデブに。だが、やがて家に来たメス猫に家族は夢中になり、「しゃくにさわる」。ある事件をきっかけにマルは外の世界に飛び出し、愛と悲しみの大冒険が始まる。

 道後から今治市・しまなみ海道、みかん畑の宇和島市、海の絶景に息をのむ愛南町、松山市ではにぎやかな繁華街や坊っちゃんスタジアムにも。愛媛県内の名所などを巡りながら情に厚い人々や、さまざまなネコとの出会い、交流をへてマルはたくましくなっていく。

 小説家で、平成28年から松山市在住の早見和真氏、今治市出身のかのうかりん氏がタッグを組み、昨年、愛媛新聞で連載されたものを書籍化。全80ページと読み応えのある物語、やさしさにあふれる絵も心にしみる。

 連載中に発生した西日本豪雨にもふれ、メッセージ発信のほか、おはなし会などで復興支援にも貢献。本作を通した街おこしも進行中で、地域活性化のヒントにもなりそうだ。(愛媛新聞社・1800円+税)

産経新聞
2019年9月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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