目標を達成して成功する人だけが知っている「正しいがんばり方」

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頑張り方の教科書

『頑張り方の教科書』

著者
大野 義啓 [著]
出版社
自由国民社
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784426125745
発売日
2019/09/13
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

目標を達成して成功する人だけが知っている「正しいがんばり方」

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

最近は、「がんばりすぎない」ほうがいいという風潮があるのかもしれません。

もちろん、ずっと肩の力が入りっぱなしでは疲れてしまいますから、がんばりすぎないことに相応の価値があることは間違いないでしょう。

しかし、なにかをやり切るためには、楽しいことを求めるだけでは足りない。ここぞという場面では、しっかりがんばることも必要

そう主張するのは、『目標達成のプロが教える 頑張り方の教科書』(大野義啓 著、自由国民社)の著者です。

事実、成功者といわれている人たちの多くも、最初から特別な人だったわけではなく、がんばってきたからこそ成功をつかむことができたわけです。そして、このことに関する重要なポイントは、「壁にぶち当たったときどうするか?」。

つまり一流の人は一流だから壁を乗り越えられたのではなく、壁を乗り越えたから一流になれたということです。

成功している人の裏には、数多くの失敗が隠れているのです。 失敗とは「壁」にぶち当たることを差します。楽しいことだけでなく、苦しいことも経験しながら、それでも当初の目標を忘れずにチャレンジし続けているのです。

相違考えると、私たちも成功するチャンスを持っていることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

成功の秘訣はただひとつ。 どんな壁にぶち当たってもそれを乗り越えていくことです。(はじめに」より)

そこで本書では、「正しいがんばり方」を身につけるための方法を紹介しているわけです。ちなみに著者はプロ柔道家であり、トップアスリートなどの目標達成をサポートしているという人物です。

STEP1「目標を設定する」のなかから、基本的な考え方を抜き出してみましょう。

結果を出せる人は、「正しいがんばり方」を知っている

頭ひとつ抜きん出る人は、努力の「方向」がきちんと定まっているものだと著者は言います。

スポーツにしてもビジネスにしても、努力なしに一足飛びにトップに躍り出ることは不可能。みんな、それなりに努力しているのです。

そして、努力の「方向」が重要な意味を持つということ。方向を間違えると、いくらがんばっても努力が報われないということになってしまう危険もあります

たとえば、柔道で言えば、背負い投げを強化するためには下半身を強化することが大切だとします。なのに、腕立て伏せを一日100回やることを掲げたとしたなら……。 目標を決めることは大切です。腕立て伏せだって、トレーニングのひとつです。

でも、残念ながら、今課題である「下半身」を鍛えた方がいいとしたら? それは有効ではありません。いくら毎日200回腕立て伏せをしたところで下半身はほとんど鍛えられませんよね。(23~24ページより)

つまり正しいワークアウトのためには、きちんとしたプログラムが必要で、それが努力の「方向」。

そこで、まずは「どうなりたいのか?」をしっかりと定め、そのためにがんばるべき道筋を見極めるべきだということ。

そして、そのためにはぜひ「目標設定」をしてほしいのだそうです。それは、「設計図」とも言えるといいます。

建物を建てる際には、必ず設計図が必要となります。まずは完成予想図である設計図を作成し、それに基づいて作業工程を考えていく。

そして作業工程どおりに土台をつくり、柱を立てて…と、順番に組み立てていくわけです。

目標を達成する方法も、まさにこれと同じ。最初に「設計図」をきちんと作成したうえで、プロセスを組み立てていくということ。そこがきっちりとできたら、あとは順番に作業を進めていくだけ。

結果が出せる人たちは、この設計図に当たる「目標設定」をしっかりと行っているというのです。(22ページより)

目標設定は「思考の棚卸し」

著者は、目標設定は「思考の棚卸し」と言い換えられるかもしれないと記しています。

たとえばお店で棚卸しをすると、「店に在庫がどのくらいあるか」「どんな商品が残っているか」というようなことが具体的な数字として表れます。

その結果、お店の隅から隅まで、いまある商品をすべて把握できるわけです。

それは、手元に存在するものを再確認すると同時に、不足している品物も把握することができるということですが、思考の棚卸しも同じだというのです。

「いま、自分の頭のなかにはどのような考えや思いが、どの程度の割合で存在するか」「現状はどうか」「なにが足りていてなにが足りないのか」などがわかるため、いまあるものをさらに伸ばし、足りないものを効率的に補充することができるということ。

ある意味においてはブレインストーミングに似ていますが、違うのは棚卸しする「数」。ブレインストーミングの場合には、思いついたことを際限なく書き出していくことになります。

一方、本書で紹介されている目標設定のためのツール(マンダラシート)では、棚卸しの数が常に8個と決められているというのです。

ブレインストーミングであれば、1個か2個しか思い浮かばなかったとしてもいいでしょう。ところが曼荼羅シートの場合には、8個になるまでひねり出して考えなければならないということ。

そして、この「ひねり出して考える」ことこそが非常に重要なのだといいます。(25ページより)

そもそも、なんのために目標を設定するのか?

自分が望むとおりの人生を生きている人がいるものですが、そういう人たちにはひとつの共通点があるそうです。それは、自分の「欲求」と素直に向き合っていること

自分自身と向き合うからこそ、自分の本当の望みを理解している、すなわち自分自身のことをよく知っているということです。

たとえば、飛行機なども、発明のもととなったのは、 「空を飛んでみたいな」「もっと早く、もっと遠くに行きたいな」 という欲求に端を発しているのではないでしょうか。

「人の役に立ちたい」という目的はそのあとに出てくるものだと思います。

「欲求」ということばにはどこか俗っぽいイメージがあるため、なんとなく隠したくなるかもしれません。でもそれは、自分の心の奥底に潜む欲求にフタをしてしまうことにもなります

そのため、思う存分エネルギーを出せない、自分の本当のよさを発揮できない、がんばれない、という負のスパイラルに陥ってしまい、なにかをやろうと決めても続かないということになるというのです。

しかし、恥ずかしがったり、隠したりする必要はなし。生々しく、貪欲に自分の欲求に従うべきだと著者は訴えています。

なぜなら、その欲求とは「潜在意識」に潜む思いだから。「潜在意識=心のなかに潜んでいること」にこそ真実が隠されているということです。(28ページより)

こうした考え方に基づき、以後は「がんばるために必要な考え方」と、そこから進むべき方法が開設されます。

それを身につければ、目標達成がより現実的なものになるかもしれません。

Photo: 印南敦史

Source: 自由国民社

メディアジーン lifehacker
2019年11月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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