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- がいなもん松浦武四郎一代
- 価格:1,870円(税込)
第25回中山義秀文学賞が10日に発表され、河治和香さんの『がいなもん 松浦武四郎一代』(小学館)に決まった。
受賞作『がいなもん 松浦武四郎一代』は、“北海道の名付け親”として知られる松浦武四郎の生涯を辿りながら、「傑物にして奇人」といわれた全貌に迫る伝記小説。
文芸評論家の末國善己さんは、角川春樹事務所のPR誌「ランティエ」にて、アイヌの人々が和人に搾取されている実態を暴き、アイヌの文化と信仰を認めさせるために奔走した松浦武四郎のエピソードに触れながら、「多文化共生の重要性を指摘した武四郎の先駆性は、現代の日本で異なる人種、異なる民族への差別と憎悪が渦巻いているだけに、重く受け止める必要がある」と本作を紹介している。
( https://www.bookbang.jp/review/article/555311 )
著者の河治和香さんは、東京都葛飾区柴又生まれ。日本大学芸術学部卒。日本映画監督協会に勤めるかたわら、三谷一馬氏に師事。2003年に『秋の金魚』で小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。著書に「国芳一門浮世絵草紙」(全五巻)、「紋ちらしのお玉」(全三巻)、『鍼師おしゃあ』『どぜう屋助七』『遊戯神通 伊藤若冲』などがある。
贈呈式は、2020年2月1日、白河市立図書館で行われる予定。
「中山義秀文学賞」は、1993年4月に大信村(現白河市大信)に、「中山義秀記念文学館」開館を記念して創設された文学賞。前年4月1日より当年3月31日までに刊行された書籍を対象に、日本の歴史を素材とした文学作品(歴史・時代小説)の中から、もっとも優れた作品に与えられる。第25回の選考委員は、前年に続き高橋義夫さん、中村彰彦さん、朝井まかてさん、清原康正さんの4氏が審査を務めた。
第25回の候補作品は以下のとおり。
『麒麟児』冲方丁[著]KADOKAWA
『酔象の流儀 朝倉盛衰記』赤神諒[著]講談社
『がいなもん 松浦武四郎一代』河治和香[著]小学館
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