第32回柴田錬三郎賞が決定 姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』が受賞

文学賞・賞

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

 第32回柴田錬三郎賞が2日に発表され、姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』(文藝春秋)に決まった。

 受賞作『彼女は頭が悪いから』は、2016年に起こった東大生5人が起こした強制わいせつ事件に着想を得て描かれた青春小説。「わいせつ事件」の背景に隠された、学歴格差、スクールカースト、男女のコンプレックスなど、日本人の差別意識を描き出す。

 翻訳家でエッセイストの鴻巣友季子さんは、本作について「徹底した“学歴社会批評小説”である」と触れ、「なにかにつけ、人を『東海高卒の東大経済学部出の父親』とか、『SFC・AO入試の女子学生』などと揶揄的に呼ぶ。学歴とは少なからず家庭環境と階層で決まる。そうした日本の構造をも痛烈に皮肉っている」(週刊新潮・書評)と評している。
https://www.bookbang.jp/review/article/558517

 著者の姫野カオルコさんは、1958年滋賀県生まれ。大学卒業後に執筆した『ひと呼んでミツコ』でデビュー。2014年に『昭和の犬』で直木賞を受賞する。著書に『受難』『ツ、イ、ラ、ク』『リアル・シンデレラ』『彼女は頭が悪いから』などがある。

 受賞作の発表と選評は、「小説すばる」(12月号)に掲載される予定。なお、贈賞式11月15日、東京都内のホテルで行われる。

「柴田錬三郎賞」は、柴田錬三郎の業績を称えて1988年に創設された文学賞。前年七月一日から、本年六月三十日までに刊行された小説を対象とし、現代小説、時代小説を問わず、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品に与えられる。第32回の選考委員は、伊集院静、逢坂剛、桐野夏生、篠田節子、林真理子の5氏が審査を務めた。

Book Bang編集部
2019年10月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク