【産経の本】『天皇は「元首」である』竹田恒泰著

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 ■詭弁にすぎない「女系天皇」

 皇位継承をめぐり、母方が天皇の血筋を引く「女系天皇」を認めるべきとの由々しき意見は、いまや野党だけでなく自民党の一部幹部でさえ口にするようになった。

 本書は、こうした「女系天皇容認論」をばっさりと斬り捨てている。明治天皇の玄孫(やしゃご)である著者は、天皇は「血統の原理」だとして〈その天皇の血統の原理を変更しようというのが、「女系」天皇であり、女性宮家なのである〉と「女系天皇」が詭弁(きべん)にすぎない理由を述べている。男系の血筋が途絶えたら、もはや天皇ではないということだ。

 月刊『正論』連載を基に加筆し再構成した本書は、譲位、皇位継承、皇族方のご結婚など皇室を憲法学的な視点から論じている。

 なかでも「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」で、「譲位」ではなく「退位」という言葉が使われた点を問題視。退位と即位に分けて儀式を行えば、どの瞬間に皇位が移ったか曖昧になるため、三種の神器の意味合いを分からなくさせる効果があるとの計算が、内閣法制局に働いたのだろうと著者。看過できない問題は、昭和天皇の肖像を焼いて踏みにじる映像が展示された「表現の不自由展・その後」だけではないのだ。(産経新聞出版・1300円+税)

産経新聞
2019年11月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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