『くらげが眠るまで』
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【気になる!】文庫 『くらげが眠るまで』
[レビュアー] 産経新聞社
小説でも人気の夫婦脚本家が執筆し、約20年前にテレビで放送されたシチュエーションコメディーのシナリオブック。
主人公はバツイチ夫で、やや頼りない信之と、かなり年下ながらしっかりもののオクサン・杳子(ようこ)の夫妻。自宅リビングでの何げない会話や出来事から展開される〈気楽にたゆたゆと過ぎてゆく時間〉が描かれる。
信之が前妻との思い出を口走り、暗雲垂れこめる場面や、なぜか杳子が見合いに出かける騒動なども。ささやかだが、「幸せ」に満ちた世界にほっこりする。著者のファンという女優、美村里江氏の解説も納得。(木皿泉著、河出文庫・720円+税)