「本の雑誌が選ぶ2019年度ベスト10」の第1位は『展望塔のラプンツェル』

文学賞・賞

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「本の雑誌が選ぶ2019年度ベスト10」が「本の雑誌」(2020年1月特大号)にて発表された。

 第1位に選ばれたのは宇佐美まことさんの『展望塔のラプンツェル』。本作は児童相談所に勤務する男性を主人公に、家庭と子どもの問題を描いた一冊。

 著者の宇佐美さんは小説誌「小説宝石」(2019年10月号)に寄稿したエッセイにて「児童虐待による悲惨な事件の報に接するたび、あの子たちをどうにか救えなかったものかと多くの人が考えるに違いない。そして自分の無力さにため息をつく。私も同じように感じながら、あれこれ思いを巡らせた。『展望塔のラプンツェル』は、人と人とのつながりがもたらした小さな奇跡と救いの物語だ。それは私の想像が生んだ「あったかもしれない物語」でもある」と本作への想いを語っている。
https://www.bookbang.jp/review/article/585619

 また、ベスト10には森功『地面師』や青山七恵『私の家』、渡辺祐基『進化の法則は北極のサメが知っていた』などがランクインしている。

 そのほか、「本の雑誌 2020年1月特大号」では、本の雑誌が選んだ2019年度ノンジャンルのベスト10以外に、鏡明のSFベスト10、池上冬樹のミステリーベスト10、佐久間文子の現代文学ベスト10、栗下直也のノンフィクションベスト10、縄田一男の時代小説ベスト10、そして北上次郎のエンターテインメントベスト10を発表しているほか、作家、評論家、翻訳家など総勢32名が選ぶ「私のベスト3」や読者が選んだベスト1も掲載されている。

Book Bang編集部
2019年12月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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