「思わず『は?』と声が出た」ベテラン書評家もうならせた今年度ナンバーワンミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』

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 12月24日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』が獲得した。
 第2位は『medium 霊媒探偵城塚翡翠』。第3位は『大名倒産(上・下)』となった。

 2位の『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は年末恒例のミステリランキング「このミステリーがすごい!」2020年版国内編1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング1位の二冠を獲得した注目作だ。霊媒師と推理作家のコンビが直感と論理的思考で事件を解決してゆく連作もの。特殊な設定に興味を惹かれるが、最後にはさらなるひねりが待ち受けており、帯にある「すべてが、伏線」という言葉を思い知ることとなる。書評家の大矢博子さんは、「このミステリーがすごい!」2020年版で《思わず「は?」と声が出た大どんでん返し》と驚きをあらわし、自身が選ぶ国内1位の作品としてあげている。

1位『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』宮部みゆき[著](毎日新聞出版)

江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く、一風変わった百物語。これまで聞き手を務めてきた三島屋主人・伊兵衛の姪のおちかが、めでたく嫁にいき、次なる聞き手は伊兵衛の次男・富次郎に。気さくで気がよく旨いもの好き、跡取りではないから「小旦那」と自称する富次郎。おちかが聞き手だったころ、ふとした縁の導きがあって三島屋に入り、百物語の守り役となったお勝。富次郎が幼いころから三島屋に奉公してきた古参の女中、おしま。この三人で語り手を迎え、新たな変わり百物語の幕が開く。(毎日新聞出版ウェブサイトより)

2位『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼[著](講談社)

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎【こうげつしろう】は、心に傷を負った女性、城塚翡翠【じょうづかひすい】と出逢う。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた――。(講談社ウェブサイトより)

3位『大名倒産(上・下)』浅田次郎[著](文藝春秋)

借金の積もり積もること二百年、御家を救う唯一の手立ては計画倒産!? 読めば福がやってくる! 笑いと涙の経済エンターテインメント。(文藝春秋ウェブサイトより)

4位『暗約領域 新宿鮫XI』大沢在昌[著](光文社)

5位『転生貴族の異世界冒険録 自重を知らない神々の使徒(6)』夜州[著](一二三書房)

6位『ライオンのおやつ』小川糸[著](ポプラ社)

7位『異世界はスマートフォンとともに。(19)』冬原パトラ[著](ホビージャパン)

8位『落日』湊かなえ[著](角川春樹事務所)

9位『人間』又吉直樹[著](毎日新聞出版)

10位『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第四部 貴族院の自称図書委員(9)』香月美夜[著](TOブックス)

〈単行本 文芸書ランキング 12月24日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年12月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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