【話題の本】『続・秘蔵カラー写真で味わう 60年前の東京・日本』

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 ■前回五輪前後の風景、鮮やかに

 いよいよ東京五輪の開催を迎える本年。五輪に伴う再開発で東京の町並みも変わりつつあるが、56年前の前回大会の前後に起きた変化はより劇的だった。

 国内では白黒写真が圧倒的主流だった昭和30年代の当時、変化する日本の姿を貴重なカラーフィルムで撮り続けた鉄道ファンの米国人がいた。本書はその膨大なコレクションの中から、鉄道を中心とした全国の風景約540枚を収録した写真集だ。

 一昨年に刊行され、6刷3万8000部となった前作のヒットを受けての第2弾。昨年12月下旬に発売後、すぐ増刷して現在2万部。担当した光文社新書編集部の草薙麻友子さんは「今回はなるべく全県を掲載するよう心がけた。また鉄道ファン向けには廃線や軽便鉄道なども盛り込んだ」と話す。

 著者来日から間もない昭和32年の写真では交通量に対し広すぎるように見えた都市部の道路も、39年ごろには自動車の急増で中央を走る路面電車がいかにも邪魔に感じられ、モータリゼーションで鉄道が衰退する歴史の流れが見いだせる。では現在の東京再開発は、後世から見たらどんな流れの中に位置づけられるのだろう。そんなことも想像させる。(J・ウォーリー・ヒギンズ著/光文社新書・1600円+税)

 磨井慎吾

産経新聞
2020年1月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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