【気になる!】新書 『芸人と影』
[レビュアー] 産経新聞社
毀誉褒貶(きよほうへん)激しいが、芸能界を知り尽くし、世の中を見る目と舌鋒の鋭さは、やはり天才たけし。語り下ろしと週刊誌連載の抜粋による本書では「芸人と闇」を中心に一刀両断している。
昨年、流行語にもなった「闇営業」問題には、〈オイラも山ほどやった…芸人を守れない事務所はおかしい〉としつつ、涙ながらで会見した芸人には〈同情されちゃ商売にならない〉とピシャリ。反社勢力との「一線の引き方」、芸への向き合い方なども説き、取り巻く「テレビの影、ネットの闇」まで。芸人にモラルを求める「世間の過剰反応」への指摘も納得(ビートたけし著、小学館新書・800円+税)。