直木賞受賞作『熱源』 文芸評論家が絶賛「異なる文化や宗教を持つ人たちを見下すことの愚かさを実感」

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 1月28日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『熱源』が獲得した。
 第2位は『清明 隠蔽捜査(8)』。第3位は『とんでもスキルで異世界放浪メシ(8)』となった。

 今週1位の『熱源』は1月15日に発表された第162回直木賞受賞作。同日発表の第162回芥川賞の受賞作『背高泡立草』は8位にランクインを果たしている。

『熱源』は明治から昭和にかけての樺太を舞台に、日本の同化政策によって伝統文化を奪われたアイヌの男性とロシアにより支配された祖国ポーランドを憂う民族学者が、戦争のなかで自分たちが本当に守るべきものを模索する歴史大作。

 文芸評論家の末國善己さんは『熱源』を読み応えたっぷりの10作品のなかにあげ、《逆境にあった二人が、歴史のうねりに翻弄されながらも、自分たちのアイデンティティを模索していく展開には深い感動があるし、自国の価値観を絶対と信じ、異なる文化や宗教を持つ人たちを見下すことの愚かさを実感させてくれる。》と解説している。
https://www.bookbang.jp/review/article/589918

1位『熱源』川越宗一[著](文藝春秋)

樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。 一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。 日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。 文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。 樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。 金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、
読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『清明 隠蔽捜査(8)』今野敏[著](新潮社)

神奈川県警刑事部長に着任した異色の警察官僚・竜崎伸也。着任早々、県境で死体遺棄事件が発生、警視庁の面々と再会するが、どこかやりにくさを感じる。さらに被害者は中国人と判明、公安と中国という巨大な壁が立ちはだかる。一方、妻の冴子が交通事故を起こしたという一報が入り……。リスタートで益々スケールアップの第八弾!(新潮社ウェブサイトより)

3位『とんでもスキルで異世界放浪メシ(8)』江口連[著](オーバーラップ)

「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。彼は従魔のフェル、スイ、ドラちゃんと共に、久しぶりにカレーリナの街を訪れる。そしてフェル達とのダンジョン攻略や狩りのおかげで貯まりに貯まっていたお金を使って、お城みたいな大豪邸を購入するのだった。 家の管理のための奴隷達も購入したし、しばらくは夢のマイホームでのんびりできるぞ……と思いきや! 伯爵様の後ろ盾を得るために用意した“ある薬”がとんでもない効果を発揮しちゃったり、奴隷達のために石窯や畑を作ったり、ギルドから急な依頼が舞い込んだりと、ムコーダは相も変わらず大忙し。その上、ワガママ放題の罰で創造神様から謹慎処分を言い渡されていた神様達がもうすぐ自由になるらしく、また騒がしくなること間違いなしで……!? 「小説家になろう」6億8千万PV超のとんでも異世界冒険譚、気付いてみれば第8巻!(オーバーラップウェブサイトより)

4位『イマジン?』有川ひろ[著](幻冬舎)

5位『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼[著](講談社)

6位『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』宮部みゆき[著](毎日新聞出版)

7位『フェアリーテイル・クロニクル 空気読まない異世界ライフ(20)』埴輪星人[著](KADOKAWA)

8位『背高泡立草』古川真人[著](集英社)

9位『春菜ちゃん、がんばる? フェアリーテイル・クロニクル(1)』埴輪星人[著](KADOKAWA)

10位『異世界で手に入れた生産スキルは最強だったようです。 創造&器用のWチートで無双する(2)』遠野九重[著](KADOKAWA)

〈単行本 文芸書ランキング 1月28日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年2月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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