【気になる!】新書 『昔は面白かったな 回想の文壇交友録』

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【気になる!】新書 『昔は面白かったな 回想の文壇交友録』

[レビュアー] 産経新聞社

 作家で国会議員、東京都知事も務めた石原慎太郎氏と、同時代を歩んだ文芸編集者、坂本忠雄氏の対談集。

 戦後、作品、文学状況、死生観などをテーマに歯に衣(きぬ)着せぬ発言が交錯。二晩で書いたが、悪筆で清書に三日かかった『太陽の季節』や、弟・裕次郎の思い出、かつての文壇にまつわる壮絶エピソードは絶品。

 石原氏の理解者だった三島由紀夫や、三島の自決現場を見た川端康成、小林秀雄、獅子文六、大岡昇平、舟橋聖一ら大御所たちが続々登場する。石原氏が繰り返す「文壇が懐かしい」の思いに納得。(石原慎太郎、坂本忠雄著、新潮新書・720円+税)

産経新聞
2020年2月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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