【話題の本】『ボクはやっと認知症のことがわかった』長谷川和夫、猪熊律子著

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 ■患者になった医師が語る病気

 著者の長谷川和夫さん(90)は、認知症医療の第一人者で、自らも認知症であることを2年前に公表した医師。本書は昨年12月に発売、1月に長谷川さんを取り上げたNHKの番組が放送されたこともあり、約1カ月で3刷2万6000部と好調だ。

 自身が認知症となって実感したのは「周囲が思うほど自分自身は変わっていない」「昨日まで生きてきた続きの自分がそこにいる」ことで、「患者を『何もわからなくなった人』と思わないでほしい」と訴える。

 ピンピンコロリを理想とし、「認知症にだけはなりたくない」と思う高齢者は少なくない。だが、本書を読むと、認知症もそれほど恐れることはないと思えてくる。もちろん、それは患者を支える周囲の人があってこそだ。番組でも、長谷川さんを素晴らしい夫人と娘さんがサポートしていた。ただ、家族だけで支えるのは限界があり、だからこそ長谷川さんもデイサービスなど介護を社会でする仕組みを作ってきた。

 担当編集者は「『認知症なんて自分と関係ないよ』という人にこそ手にとってほしい」と話す。認知症を必要以上に恐れない社会のために、本書が大きな役割を果たすことを期待したい。(KADOKAWA・1300円+税)

 平沢裕子

産経新聞
2020年2月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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