【話題の本】『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼著

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 ■驚きの結末に口コミ広がる

 「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」など国内年間ミステリーランキングの3冠を達成。今年の本屋大賞や吉川英治文学新人賞の候補にも入っている話題のミステリー小説だ。昨年9月刊で、8刷13万部を突破している。

 主人公の探偵・城塚翡翠は霊的な存在を匂いで感じとり、ときに死者の言葉も語るという異能の女性。山荘で開かれたバーベキューパーティーでの殺人、女子高校生の連続絞殺事件…。翡翠が霊能力で得た犯人に関する情報を、登場人物の一人である推理作家の香月史郎がかっちりとした論理で補強する形で、難事件の真相が次々と暴かれていく。

 翠(みどり)色の大きな瞳が特徴的な人形めいた美貌ながら、言動には幼さを残す-。人間離れしているようで不思議と親近感を抱かせる翡翠のキャラクター造形が魅力的。本格ミステリーらしい緻密な論理に裏打ちされたトリックの大技小技もさえる。「まさに『すべてが、伏線』という帯の言葉通り。驚きの結末に読者の方々が衝撃を受け、評判が口コミでどんどん広がっていった」と担当編集者。最後まで読めば、その驚きと快感がきっと味わえる。(講談社・1700円+税)

 海老沢類

産経新聞
2020年2月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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