『最新科学が明かす 明和大津波』後藤和久、島袋綾野編

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『最新科学が明かす 明和大津波』後藤和久、島袋綾野編

[レビュアー] 産経新聞社


『最新科学が明かす 明和大津波』後藤和久、島袋綾野編

 1771(明和8)年4月24日午前8時ごろ、現在の沖縄県先島諸島(八重山諸島および宮古諸島)が大地震に見舞われ、直後に津波が襲来した。犠牲者は約1万2000人に上ったとされる。

 東日本大震災を機に、この250年近く前の大災害が注目を集めることになった。琉球王朝の地で何が起きていたのか。各分野の専門家7人が地質学や津波工学、文献史学、民俗学、考古学など複眼的なアプローチで検証し、一般読者向けに分かりやすく編成した。

 「のど元過ぎれば-」を戒めるには、歴史から教訓を学ぶほかない。本書は格好の教科書だ。(南山舎・1000円+税)

産経新聞
2020年3月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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