16世紀後半から17世紀初頭に活躍したバロックを代表する画家、カラヴァッジョ。イタリアでも別格の巨匠で、殺人者で、逃亡生活を送りながら優れた宗教画を描いた。本書は代表作の「聖マタイの召命」を俎上(そじょう)にのせる。描かれた人物の中で誰がマタイなのか、いまだに研究者によって意見が分かれているという。
30年以上、カラヴァッジョ研究をしてきた著者が、歴史や社会背景を踏まえ、名画を解読する。高校生レベルの読者に作品の魅力を伝えようと、やさしく書かれている。(宮下規久朗著、ちくまプリマー新書・950円+税)
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2020年3月15日 掲載
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