『落語家のもの覚え』
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【気になる!】文庫 『落語家のもの覚え』
[レビュアー] 産経新聞社
多くのネタを覚え、それを忘れない落語家。立川談志師匠に入門し、落語家生活50年の著者も約200席のネタを持ち、〈ひと晩で一席30分のネタを覚えてしまう〉こともあるという。
特別な方法、忘れない秘訣(ひけつ)、役者や講釈師との違いはあるのか。また、年とともに記憶持続力は確実に落ちるが、数々の名人たちはどう対処していたのか-。
自身の前座、二つ目、真打各時代の爆笑エピソードも交えつつ、記憶と忘却の考察から仕事や人生に役立つヒントも。文庫化で新たに収録された弟子6人の紹介には師匠の厳しくも温かいまなざしが感じられる。(立川談四楼著、ちくま文庫・840円+税)