イラストレーターの時子と、かつて仕事で組んだ編集者、ナリキヨさんの再会と別れを描く「出会いなおし」。長年、家庭で手作り料理にこだわってきた清美が決意して買ったデパ地下のサラダに違和感を覚える「カブとセロリの塩昆布サラダ」。ムーミンママが好きだった夫の亡き母をめぐるファンタジー風の「ママ」など6編を収録。
〈年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということ〉。表題作で語られるように、長い人生、ときに現世にとどまらぬ出会いの不思議、面白さを思い起こさせてくれる。(森絵都著、文春文庫・660円+税)
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2020年3月29日 掲載
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