【産経の本】『北朝鮮がつくった韓国大統領 文在寅』李相哲著

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■文政権記録の「完全版」

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は就任以来、「積弊清算」と称して朴槿恵(パク・クネ)政権時代の高官を次々に逮捕、起訴し、日本との間で結んだ前政権との約束をほごにする動きを露骨に見せてきた。その登場以後、韓国は「従北・親中、反日・脱米」の傾向を強めている。

 韓国が「真っ赤になった理由」とは何なのか。なぜ親北朝鮮志向を隠そうとしない政治家が大統領に当選、国民の支持を得たのか。

 本書はその秘密と、いかにして文氏が韓国を「破壊した」のかを探ったものである。産経新聞の連載をまとめた単行本の刊行後に「玉ネギ男」こと●国(チョ・グク)前法相の騒動などが起きた。文庫化では、この騒ぎを含め、韓国で何が進行しているのかが「こわれゆく国家」として新たに収録されている。

 文氏が残りの任期を全うできるか否かは来月の韓国総選挙にかかっているという見方もある。その結果が日韓関係に影響を及ぼすのは間違いないと著者。日韓の間には慰安婦・徴用工問題に加え、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)をどうするかという問題が横たわる。本書はこうした問題を考える上でも役に立つ。左派政権の本質と本当の姿を露呈した文政権記録の完全版といえる。(産経NF文庫・810円+税)

 ●=恵の心を日に

産経新聞
2020年3月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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