女優の南沢奈央
5月12日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『流浪の月』が獲得した。
第2位は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。第3位は『逆ソクラテス』となった。
4位以下で注目は7位と8位にランクインした『流人道中記 上下』。読売新聞朝刊に連載されていた浅田次郎さんの歴史小説。不義密通で流刑となった旗本・玄蕃と、彼を蝦夷まで送り届けることとなった若者・乙次郎の二人旅が描かれる。二人が北上する奥州街道で巻き起こる事件を玄蕃が人情味あふれる気の利いた方法で解決してゆく。乙次郎はそんな玄蕃に感化されながら成長し、玄蕃の本当の罪を知ることとなる。
女優の南沢奈央さんは《上巻は一気読み、下巻に入ると数ページごとに本を置いては、腕を組んで嘆息。読み終えたくない。いや、この罪人を押送する旅を終えたくないと思っている。つまり、任務を放棄して、青山玄蕃(げんば)という男と旅を続けたい――。》と読み進めながら乙次郎と同じ気持ちになっていたと告白し、《本書は、人生という旅路において、闇夜をあまねく照らす月の光のような存在》と評している。
https://www.bookbang.jp/review/article/620934
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- 流浪の月
- 価格:1,650円(税込)
1位『流浪の月』凪良ゆう[著](東京創元社)
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。(東京創元社ウェブサイトより)
2位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ[著](新潮社)
優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした「元・底辺中学校」だった。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり……。何が正しいのか。正しければ何でもいいのか。生きていくうえで本当に大切なことは何か。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子と パンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」。(新潮社ウェブサイトより)
3位『逆ソクラテス』伊坂幸太郎[著](集英社)
敵は、先入観。世界をひっくり返せ! 伊坂幸太郎史上、最高の読後感。デビュー20年目の真っ向勝負! 逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える――「逆ソクラテス」 足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが――「スロウではない」 最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも――「アンスポーツマンライク」 ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」――書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。(集英社ウェブサイトより)
4位『クスノキの番人』東野圭吾[著](実業之日本社)
5位『猫を棄てる 父親について語るとき』村上春樹[著](文藝春秋)
6位『ライオンのおやつ』小川糸[著](ポプラ社)
7位『流人道中記 上』浅田次郎[著](中央公論新社)
8位『流人道中記 下』浅田次郎[著](中央公論新社)
9位『大河の一滴』五木寛之[著](幻冬舎)
10位『気がつけば、終着駅』佐藤愛子[著](中央公論新社)
〈文芸書ランキング 5月12日トーハン調べ〉
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