一青窈も注目 「感情」がわからない少年を描いた韓国発のベストセラー『アーモンド』

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 5月26日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『流浪の月』が獲得した。
 第2位は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。第3位は『カケラ』となった。

 4位以下で注目は8位の『アーモンド』。2020年本屋大賞翻訳小説部門で1位に輝いた作品。「感情」がわからず周囲から「怪物」と呼ばれ疎外された少年ユンジュが、同じように周囲から浮いた存在の不良少年ゴニと出会い成長してゆく物語。韓国で40万部を売り上げたベストセラー。

 歌手の一青窈さんは、同書のレビューで自身も子どもを生んでから、それまでよくわからなかった「愛」の意味に気づいたと告白しながら、「感情」という不可思議な心の動きについて語っている。また《著者の筆の巧(うま)さで、競争社会の激しい韓国の今も暗喩的に浮き彫りにした》と評している。
https://www.bookbang.jp/review/article/581650

1位『流浪の月』凪良ゆう[著](東京創元社)

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。(東京創元社ウェブサイトより)

2位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ[著](新潮社)

優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした「元・底辺中学校」だった。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり……。何が正しいのか。正しければ何でもいいのか。生きていくうえで本当に大切なことは何か。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子と パンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」。(新潮社ウェブサイトより)

3位『カケラ』湊かなえ[著](集英社)

他人の視線と自分の理想。少女の心を追い詰めたものとは──? 都内の美容クリニックに勤める医師の橘久乃は、久しぶりに訪ねてきた幼なじみから「痩せたい」という相談を受ける。
カウンセリングをしていると、小学校時代の同級生・横網八重子の思い出話になった。幼なじみいわく、八重子には娘がいて、その娘は、高校二年から徐々に学校に行かなくなり、卒業後、ドーナツがばらまかれた部屋で亡くなっているのが見つかったという。 母が揚げるドーナツが大好物で、性格の明るい人気者だったという少女に何が起きたのか―?(集英社ウェブサイトより)

4位『猫を棄てる 父親について語るとき』村上春樹[著](文藝春秋)

5位『逆ソクラテス』伊坂幸太郎[著](集英社)

6位『クスノキの番人』東野圭吾[著](実業之日本社)

7位『ライオンのおやつ』小川 糸[著](ポプラ社)

8位『アーモンド』ソン・ウォンピョン[著](祥伝社)

9位『流人道中記 下』浅田次郎[著](中央公論新社)

10位『流人道中記 上』浅田次郎[著](中央公論新社)

〈文芸書ランキング 5月26日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年5月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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