メンタル強化の33メソッド。1分間で自己肯定感を高める「行動」の習慣とは?

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1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド

『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』

著者
中島 輝 [著]
出版社
マガジンハウス
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784838730926
発売日
2020/04/16
価格
1,430円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

メンタル強化の33メソッド。1分間で自己肯定感を高める「行動」の習慣とは?

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

「いま、自分の人生がうまくいっているか」という問いに対して、はっきり「うまくいっている」と答えられる人は決して多くないはず。

なぜなら、同じ人でも時期や環境、メンタルの状態によって気持ちの浮き沈みがあるものだから。

メンタルコーチである『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(中島輝 著、マガジンハウス)の著者は、そう主張しています。

しかも、「ツキにも恵まれ、努力が結果につながる人」には、明らかにほかの人とは違う感覚があるというのです。

それは「うまくいっている」と感じる時間を長くする習慣、落ち込んだときにメンタルを瞬時に切り替えるコツを手に入れているかどうか。

そして、そこには「自己肯定感」という心の仕組みが深く関わっているということです。

とはいえ自己肯定感を高めることは簡単ではありませんし、相応の時間も必要となるでしょう。

ましてやビジネスパーソンは、なかなかまとまった時間を取れないものでもあります。

しかし、いますぐ、ややこしい話は抜きで自分を変える方法があるのだそうです。

忙しい私たちに有効なのが、毎日「1分だけ」自己肯定感を高める時間を取ること。 あるいは、なにか不本意な出来事が降りかかったときにも、パッと「1分で」自分のメンタルを切り替える方法があれば……。

悪い出来事もクヨクヨ引きずらず「1分」で、はね返す方法はないだろうか? じつは、そのためにできることが、たくさんあります。(「プロローグ」より)

本書では、そのための方法やメソッドを紹介しているわけです。

「行動」に焦点を当てたPART 5「『1分習慣』が人生のクオリティを爆上げする」に焦点を当ててみましょう。

「力を抜くべきとき」を知る

夕暮れどき、特に思い当り理由もないのに不安になったり、気分が落ち込んできたりすることがあります。

著者によれば、これは自律神経の働きと関係しているのだそうです。

自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスがよいと適切な状態に保たれるもの。ところが、車でいうとブレーキの役割を果たす副交感神経は、夕方以降に優位になっていくのだとか。

心身をリラックスさせる自然な反応ですが、そこに1日の疲労やストレスなどが重なると、気分が落ち込んでしまうことがあるということ。

そこで、思い当たる理由もなく気分が落ち込んだときには、にぎやかで明るい場所にでかけてみることを著者は勧めています。

そうすれば交感神経が優位になり、不安や落ち込みが改善されるというのです。(219ページより)

疲れをなくす極上の「1分ボディメンテナンス」

逆に忙しい毎日が続き、神経がたかぶって眠れないというようなときは、副交感神経を優位にするような対策が効果的。

たとえば著者が日ごろから実践しているのが、肩甲骨まわりのストレッチだそうです。

自律神経は延髄、頸椎、腰骨から仙骨に向かって伸びています。その途中にある肩甲骨まわりの筋肉を動かし、温めることで副交感神経の働きがよくなり、リラックスした状態がつくれます。

具体的には、肩甲骨を意識して肩を前方向、後ろ方向に30秒ずつぐるぐる回し、手元にあれば肩甲骨の中央に使い捨て回路を張りましょう。(220ページより)

他にも、目のくぼみあたりをぐっと押し、眉毛とまぶたの際を揉みほぐす目のマッサージや、ガムを噛んで唾液を分泌させるだけでも副交感神経を優位にすることが可能だといいます。

こうして意識的にリラックスする時間をつくっていくと、副交感神経のリラックスした状態が直感力を高めてくれるため、アイデアも活発に生まれるそうです。

集中力を発揮したいときは交感神経優位を、ひらめきを求めるときは副交感神経優位を、意識的に使い分けるのがコツ。 考えても、考えてもヒントが出ないとき、ミーティングを重ねても打開策が見えないとき、粘り強くとどまるのではなく、「ま、いっか」といったん手放し、散歩に出たり、シャワーを浴びたり、仮眠をとったり……。

また、几帳面かつ、完璧主義の傾向があり、こうした切り替えが苦手という人は、意図的に怠ける時間をスケジュールに盛り込むよう気をつけてみてください。(221~222 ページより)

この際に大切なのは、空き時間にはなにもスケジュールを入れず、意識的に怠けること。

1分間だけでも力の抜き方を変えてみるだけで、自己肯定感の高まりを実感できるといいます。(220ページより)

SNSから距離をおく

SNSは私たちの生活に切っても切れない身近な存在ですが、自己肯定感を切り口として考えると心配な点もあると著者はいいます。それは、「他人との比較」の機会が増えてしまうこと。

「SNSを通じて見る友人、知人の日常が自分よりも華やかで、充実しているのではないか?」と、無意識のうちに他者と自分とを比較し、焦りやいら立ちといった不快な感情を抱え込んでしまうわけです。

しかし、それでは自己肯定感が下がって当然。

しかも自己肯定感が低いときほど、他者からの評価が気になるもの。そしてそのメカニズムとSNSの仕組みは、相性が抜群だというのです。(223ページより)

SNSを最高の自己実現ツールにする「フォーカシング・スキル」

SNSを使ううえで気をつけたいのは、「認めてもらわないと!」「これをやらなければ!」という気持ちが強くなったら「自己肯定感が低くなっているのかも」と疑ってみること

したがって重要なのは、

みんながやっているから、関係性を維持したいから参加するのではなく、自分の生活の実用面をサポートするツールとして「目的をはっきりさせる」こと。

たとえばインスタグラムで自分の生活の華々しい部分を発信するのではなく、おいしいランチの店を写真から探すツールとして役立ててみる。

読書中に気になったフレーズをアウトプットするようやくツールとしてツイッターを利用するなど、「役立て方を変える」だけで、SNSは最強の自己実現ツールになるのだといいます。(224ページより)

本書で紹介されているのは心理学、脳科学、医学、行動科学などによって実証された、もっともメンタルに効く方法ばかりだそう。

著者自身の、のべ1万5000人にわたるコーチングやカウンセリングの現場でも、大きな成果を上げているメソッドが厳選されているのだといいます。

メンタルを強くしたいという思いがあるなら、参考にしてみる価値はあるかもしれません。

Photo: 印南敦史

Source: マガジンハウス

メディアジーン lifehacker
2020年6月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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