宮部みゆきの新シリーズがベストセラー1位! 時代ミステリ&成長小説&バディ小説

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 2月21日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『きたきた捕物帖』が獲得した。
 第2位は『流浪の月』。第3位は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』となった。

 1位の『きたきた捕物帖』は宮部みゆきさんの連作時代ミステリ。16歳の見習い岡っ引きの北一と釜炊きの喜多次、二人の青年が江戸で起こる怪事件やもめごとを解決してゆく物語。宮部さんがこれまでに上梓した『桜ほうさら』や『〈完本〉初ものがたり』(ともにPHP研究所)と同じ世界のお話として描かれており、ニ作に登場した人物や出来事が本作にも関わってくる。宮部さんは著者メッセージとして、本作は立場の弱い人ばかりが登場する作品で《若い子が一人前になっていく話にもしたかった》と語っており成長小説としての色合いももっている。また《私が現役であるかぎり書き続けていきたいと思っています》とシリーズのライフワーク化に意欲をみせている。

1位『きたきた捕物帖』宮部みゆき[著](PHP研究所)

まだ下っ端の見習い岡っ引きの北一(16歳)は、亡くなった千吉親分の本業だった文庫売り(本や小間物を入れる箱を売る商売)で生計を立てている。やがて自前の文庫をつくり、売ることができる日を夢見て……。 北一が、相棒・喜多次と出逢い、親分のおかみさんの協力を得て自立し、事件や不思議な出来事を解き明かしていく、優しさあふれる捕物帖。(PHP研究所ウェブサイトより)

2位『流浪の月』凪良ゆう[著](東京創元社)

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。(東京創元社ウェブサイトより)

3位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ[著](新潮社)

優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした「元・底辺中学校」だった。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり……。何が正しいのか。正しければ何でもいいのか。生きていくうえで本当に大切なことは何か。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」。(新潮社ウェブサイトより)

4位『気がつけば、終着駅』佐藤愛子[著](中央公論新社)

5位『カケラ』湊かなえ[著](集英社)

6位『猫を棄てる 父親について語るとき』村上春樹[著](文藝春秋)

7位『逆ソクラテス』伊坂幸太郎[著](集英社)

8位『アーモンド』ソン・ウォンピョン[著](祥伝社)

9位『クスノキの番人』東野圭吾[著](実業之日本社)

10位『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』ブレイディみかこ[著](筑摩書房)

〈文芸書ランキング 6月9日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年6月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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