これがコロナ後に来る全体主義的管理社会の姿なのか? 絶対権力をもつ「党」に支配された近未来を描く『R帝国』が話題

ニュース

2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 6月9日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文庫第1位は『大河の一滴』が獲得した。
 第2位は『素敵な日本人』。第3位は『ペスト』となった。

 1位の『大河の一滴』は著者の五木寛之さんが5月9日に放送された「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)や5月29日の「ニュースウォッチ9」(NHK総合)に出演し大きな話題に。苦しみと絶望ばかりの時代でも、それが当たり前であると覚悟を決めたとき真の希望と勇気が訪れると説いた一冊。

 7位に初登場の『R帝国』は芥川賞作家の中村文則さんが2017年に出版した作品の文庫版。絶対権力の「党」に支配された島国を舞台にしたディストピア小説。党はスマートフォンやAIを利用した監視網で国民を情報操作し、不都合な真実に目を向けさせないように管理する。政府の欺瞞に気づいた男女や、情報統制を行う党の中枢人物の視点から現代ともリンクする暗黒社会が描かれる。新型コロナウイルス対策の姿で忍び寄る監視・管理社会への歩み、誹謗中傷対策と称し進む言論統制など、これからの時代が「R帝国」に近づいてゆくのではないかと危惧する人々の間で本書への注目が高まっている。

1位『大河の一滴』五木寛之[著](幻冬舎)

2位『素敵な日本人』東野圭吾[著](光文社)

一人娘の結婚を案じる父に、娘は雛人形を指差して大丈夫という。そこには亡き妻の秘密が……。(「今夜は一人で雛祭り」)独身女性のエリーが疑似子育て体験用赤ちゃんロボットを借りたところ……。(「レンタルベビー」)世にも珍しい青色の猫。多くの人間が繁殖を目論むが……。(「サファイアの奇跡」)日本人に馴染み深い四季折々の行事を題材にした4編と、異色のミステリ5編を収録!(光文社ウェブサイトより)

3位『ペスト』カミュ[著]宮崎嶺雄[訳](新潮社)

アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。(新潮社ウェブサイトより)

4位『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』柚月裕子[著](講談社)

5位『ソードアート・オンライン(24)ユナイタル・リングIII』川原礫[著]abec[イラスト](KADOKAWA)

6位『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(13)』むらさきゆきや[著]鶴崎貴大[イラスト](講談社)

7位『R帝国』中村文則[著](中央公論新社)

8位『これは経費で落ちません!(7)経理部の森若さん』青木祐子[著]uki[画](集英社)

9位『たゆたえども沈まず』原田マハ[著](幻冬舎)

10位『警視庁公安J ダブルジェイ』鈴峯紅也[著](徳間書店)

〈文庫ランキング 6月9日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年6月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

  • このエントリーをはてなブックマークに追加