『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のブレイディみかこ 注目の新刊で愛すべき「おっさん」たちを描く

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 6月16日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第五部 女神の化身(2)』が獲得した。
 第2位は『きたきた捕物帖』。第3位は『流浪の月』となった。

 4位以下で注目は5位の『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』。昨年11月に本屋大賞ノンフィクション本大賞を受賞し、トーハンの2020年上半期ベストセラーの総合部門で4位に輝いた『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者、ブレイディみかこさんの最新エッセイ。イギリスの労働者階級に属するエネルギッシュで悲哀に満ちた「おっさん」たちの生き様をユーモアを交えながら描いている。ブレイディさんはあとがきで『ぼくはイエローで~』は《青竹のようにフレッシュな少年たちについて書きながら、そのまったく同じ時期に、人生の苦汁をたっぷり吸い過ぎてメンマのようになったおっさんたちについて書く作業は、複眼的に英国について考える機会になった。二冊の本は同じコインの両面である。》と述べている。

1位『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第五部 女神の化身(2)』香月美夜[著](TOブックス)

雪降るアーレンスバッハ城。その執務室で、次期領主の婚約者フェルディナンドはローゼマインの手紙に眉を寄せていた。彼女は王族に呼び出されたばかりか、貴族院の図書館に秘められた地下書庫へ近付こうとしていたのだ。周囲を悩ます「頭の痛い報告書」の数々は貴族院三年生になっても変わらなかった! 不思議な現象を起こした上に、学生達の共同研究に王を巻き込む始末。王の御前だろうと取り繕いゼロ、聖女と持ち上げられるお茶会にはイライラ。我が道を全力で突っ走るローゼマインにレスティラウトから驚愕の提案が! ライデンシャフトの槍を振りかざし、いざディッター勝負、再び開幕!(自身の将来を賭けた嫁取りディッター!?) 書き下ろし短編×2本、椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!(TOブックスウェブサイトより)

2位『きたきた捕物帖』宮部みゆき[著](PHP研究所)

まだ下っ端の見習い岡っ引きの北一(16歳)は、亡くなった千吉親分の本業だった文庫売り(本や小間物を入れる箱を売る商売)で生計を立てている。やがて自前の文庫をつくり、売ることができる日を夢見て……。 北一が、相棒・喜多次と出逢い、親分のおかみさんの協力を得て自立し、事件や不思議な出来事を解き明かしていく、優しさあふれる捕物帖。(PHP研究所ウェブサイトより)

3位『流浪の月』凪良ゆう[著](東京創元社)

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。(東京創元社ウェブサイトより)

4位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ[著](新潮社)

5位『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』ブレイディみかこ[著](筑摩書房)

6位『クスノキの番人』東野圭吾[著](実業之日本社)

7位『カケラ』湊かなえ[著](集英社)

8位『気がつけば、終着駅』佐藤愛子[著](中央公論新社)

9位『逆ソクラテス』伊坂幸太郎[著](集英社)

10位『猫を棄てる 父親について語るとき』村上春樹[著](文藝春秋)

〈文芸書ランキング 6月16日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年6月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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