「十二国記」小野不由美の原点「ゴーストハント」シリーズが待望の文庫化!

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 6月23日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文庫第1位は『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』が獲得した。
 第2位は『新酒番船』。第3位は『布石 百万石の留守居役(15)』となった。

 4位以下で注目は7位の『ゴーストハント(1)旧校舎怪談』。小野不由美さんのミステリーホラー、待望の文庫版の発売だ。小野さんといえばファンタジー小説「十二国記」シリーズが代表作として知られている。昨年10月に18年ぶりの新作「白銀の墟 玄の月」が刊行され大きな話題となったが、今作「ゴーストハント」シリーズも小野さんにとってのもうひとつの代表作であり原点だ。

 同シリーズは主人公の孤独な女子高生とナルシストの美少年が、個性的な仲間たちとともに悪霊と対峙し、難解で奇怪な謎を解き明かしてゆく連作集。1989年に第一作が発表され、92年までに全7作8冊が刊行された。今作『ゴーストハント(1)旧校舎怪談』は第一作目の『悪霊がいっぱい!?』(講談社)を大幅にリライト。ボリュームも1.5倍程度に増え読み応えのある作品に生まれ変わっている。シリーズ第2巻の『ゴーストハント2 人形の檻』も同時発売され、来年6月までに7作全てが出揃う予定だ。「十二国記」で小野作品にハマった読者も、現代を舞台にした今作は新鮮な気持ちで楽しむことが出来るだろう。

1位『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』宮部みゆき[著](KADOKAWA)

三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒やすため、語り捨ての変わり百物語を始めた。悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。彼が語ったのは、読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された浪人の物語だった。勘一の話を引き金に、おちかは自身の運命を変える重大な決断を下すが……。怖いけれども癖になる。三島屋シリーズ第五弾にして、第一期の完結編!(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『新酒番船』佐伯泰英[著](光文社)

海次は十八歳。丹波杜氏である父に倣い、灘の酒蔵・樽屋の蔵人見習となったが、海次の興味は酒造りより、新酒を江戸に運ぶ新酒番船の勇壮な競争にあった。番船に密かに乗り込む海次だったが、その胸にはもうすぐ兄と結婚してしまう幼なじみ、小雪の面影が過っていた――。海を、未知の世界を見たい。若い海次と、それを見守る小雪、ふたりが歩み出す冒険の物語。(光文社ウェブサイトより)

3位『布石 百万石の留守居役(15)』上田秀人[著](講談社)

加賀百万石の留守居役・瀬能数馬は岳父の宿老・本多政長から薫陶を受ける。各藩留守居役との駆け引きを描く好評書下ろしシリーズは、第十五巻目。 加賀藩邸の不祥事を咎める評定所に臨む為、江戸に向かった百万石の筆頭宿老・本多政長。神君家康の懐刀と言われた本多正信の血筋の登場に評定所の面々は圧倒された。陪臣の矜持を保ちつつ、政長は将軍綱吉との謁見を乗り切った。将軍と政長との間で交わされた話の内容が漏れてこないため、それを探る各藩の留守居役との交渉をめぐり、数馬の周囲は騒然となる。なおも江戸に留まる政長に随伴する数馬は、本多家と吉原の累代からの関わりに驚嘆する。宿老不在の加賀に、越前福井松平家の国家老次席が訪ねてきた。藩主の綱昌が、騒動時に書かされた「詫び状」の返還も強く求めてきた。(講談社ウェブサイトより)

4位『カエルの楽園2020』百田尚樹[著](新潮社)

5位『大河の一滴』五木寛之[著](幻冬舎)

6位『鹿の王 水底の橋』上橋菜穂子[著](KADOKAWA)

7位『ゴーストハント(1)旧校舎怪談』小野不由美[著](KADOKAWA)

8位『青くて痛くて脆い』住野よる[著](KADOKAWA)

9位『ひとめぼれ』畠中恵[著](文藝春秋)

10位『紅霞後宮物語 第十一幕』雪村花菜[著]桐矢隆[イラスト](KADOKAWA)

〈文庫ランキング 6月23日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年6月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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