第9回梅棹忠夫・山と探検文学賞が発表 荻田泰永『考える脚』に決定

文学賞・賞

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 第9回梅棹忠夫・山と探検文学賞が6日に発表され、荻田泰永さんの『考える脚』(KADOKAWA)に決まった。

 受賞作『考える脚』は、日本人初「南極点無補給単独徒歩到達」に成功した荻田さんが、北極点無補給単独徒歩の挑戦、カナダ~グリーンランド単独行、南極点無補給単独徒歩の冒険で学んだ、自由の本質を説いた一冊。自然とは何か、自分とは何かを問いつづけた冒険者が到達した「思索」とは?

 著者の荻田さんは、日本唯一の「北極冒険家」。カナダ北極圏やグリーンランド、北極海を中心に主に単独徒歩による冒険行を実施。2000年より17年までに15回の北極行を経験し、北極圏各地を9000km以上移動する。2016年にはカナダ最北の村グリスフィヨルド~グリーンランド最北のシオラパルクをつなぐ1000kmの単独徒歩行(世界初踏破)。2018年1月5日(現地時間)に、日本人初の南極点無補給単独徒歩到達に成功する。

 梅棹忠夫・山と探検文学賞は、生態学にはじまり、民族学、比較文明学などで学術的偉業を残した梅棹忠夫さんのたゆまない「未知への探求」と「探検」の復権とあらたな展開を期して、山と溪谷社、平安堂、信濃毎日新聞社によって2011年に創設された文学賞。選考は、過去2年以内に出版された30冊を事務局で選定し、選考委員長のもと、2度の予備選考を行い最終候補作品を決定する。第9回の選考委員は、小山修三さん、中牧弘允さん、三村卓也さん、江本嘉伸さん、川崎深雪さんの5名だったが、選考会は体調不良による欠席があり、4名で行われたことが発表されている。

 昨年は、作家で元外務省主任分析官の佐藤優さんの『十五の夏』(幻冬舎)が受賞。過去には角幡唯介さんの『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(第1回)、高野秀行さんの『謎の独立国家ソマリランド』(第3回)、中村哲さんの『天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い』(第4回)などが受賞している。

 第9回の候補作は以下のとおり。

『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』三浦英之[著]小学館
『転生する文明』服部英二[著]藤原書店
『極北のひかり』松本紀生[著]クレヴィス
『ダリエン地峡決死行』北澤豊雄[著]産業編集センター
『考える脚』荻田泰永[著]KADOKAWA

Book Bang編集部
2020年3月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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