第11回翻訳ミステリー大賞が発表 ルー・バーニー『11月に去りし者』が受賞

文学賞・賞

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 第11回翻訳ミステリー大賞が16日に発表され、ルー・バーニーさんの『11月に去りし者』(ハーパーコリンズ・ジャパン)に決まった。

 受賞作『11月に去りし者』は、暗黒街で生きる男ギドリーの逃走劇を描いたミステリー。ケネディ大統領暗殺事件の秘密に近づきすぎ、殺し屋に狙われたギドリーは、訳ありの母娘の夫になりすまし、新天地に旅立つ。

 著者のルー・バーニーさんは、米国オクラホマ・シティ在住。シナリオライター、構成作家を経てデビュー作『ガットショット・ストレート』で小説家デビュー。デビュー作はパブリッシャーズウィークリーなど紙誌で高い評価を受け、アメリカのミステリ賞“バリー賞”の新人賞候補に選ばれた。また、デビュー3作目となる「The Long and Faraway Gone」は、エドガー賞、アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞を受賞している。

 また、プロアマ問わず全ての読者がメール・Twitterの投票した結果によって決定する読者賞は、ロバート・クレイスさんの『指名手配』(東京創元社)が選ばれた。

 翻訳ミステリー大賞は、日本語に翻訳された海外の推理小説を対象とした文学賞。前年11月1日から、その年の10月31日までに刊行された作品の中から現役の翻訳者の投票によって決定する。

 昨年は、アンソニー・ホロヴィッツさんの『カササギ殺人事件』が受賞。過去にはドン・ウィンズロウさんの『犬の力』(第1回)、スティーヴン・キングさんの『11/22/63』(第5回)などが受賞している。

 第11回の候補作品は以下の通り。

『拳銃使いの娘』ジョーダン・ハーパー[著]早川書房
『ザ・ボーダー』ドン・ウィンズロウ[著]ハーパーコリンズ・ジャパン
『11月に去りし者』ルー・バーニー[著]ハーパーコリンズ・ジャパン
『パリ警視庁迷宮捜査班』ソフィー・エナフ[著]早川書房
『メインテーマは殺人』アンソニー・ホロヴィッツ[著]東京創元社

Book Bang編集部
2020年5月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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