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- ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録
- 価格:1,870円(税込)
第42回講談社本田靖春ノンフィクション賞が16日に発表され、片山夏子さんの『ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録』(朝日新聞出版)と吉田千亜さんの『孤塁 双葉郡消防士たちの3・11』(岩波書店)に決まった。
『ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録』は、福島第一原発の廃炉に従事する作業員たちを、東京新聞記者が9年にわたり取材した記録。現場から聞こえてくる生の声から真実が見えてくる。
著者の片山さんは、中日新聞東京本社の記者。大学卒業後、化粧品会社の営業、ニートを経て、埼玉新聞で主に埼玉県警の取材を担当。東日本大震災翌日から東京電力や原子力安全・保安院などを取材。同年8月から東京社会部で、主に東京電力福島第一原発で働く作業員の取材を担当。作業員の事故収束作業や日常、家族への思いなどを綴った「ふくしま作業員日誌」を連載中。2020年、同連載が評価され、「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」大賞受賞。現在、特別報道部所属。
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- 孤塁 双葉郡消防士たちの3・11
- 価格:1,980円(税込)
『孤塁 双葉郡消防士たちの3・11』は、地震・津波被害者の救助や避難誘導、さらには原発構内での給水活動や火災対応にもあたった福島県双葉消防本部125名の消防士たちの活動と葛藤を記録した一冊。
著者の吉田さんは、1977年生まれ。出版社勤務を経て、フリーライター。福島第一原発事故後、被害者・避難者の取材、サポートを続ける。著書に『ルポ母子避難』『その後の福島──原発事故後を生きる人々』、共著『原発避難白書』などがある。
第42回講談社本田靖春ノンフィクション賞の候補作は以下の通り
『ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録』片山夏子[著]朝日新聞出版
『殺しの柳川 日韓戦後秘史』竹中明洋[著]小学館
『無敗の男 中村喜四郎 全告白』常井健一[著]文藝春秋
『聖なるズー』濱野ちひろ[著]集英社
『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』森功[著]文藝春秋
『弧塁 双葉郡消防士たちの3・11』吉田千亜[著]岩波書店
また、同日発表された第36回講談社科学出版賞は、菅沼悠介さんの『地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか』(講談社)が選ばれた。本作は、地球科学最大の謎「地磁気逆転」に迫り、磁石の発見からチバニアン誕生までを紐解いた一冊。
講談社ノンフィクション賞はノンフィクションを対象として、1979年に創始された文学賞。2019年、創業110周年という節目の年を迎えるにあたり「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」と改称された。
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