『好日絵巻 季節のめぐり、茶室のいろどり』森下典子著
[レビュアー] 産経新聞社
エッセイストの著者が、40年以上前に始めた「お茶」の稽古の日々と半生を綴った『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』『好日日記』に続くシリーズ第3弾。本書は茶室を彩り、季節を感じさせる茶道具を著者自身が描いたイラストと文章で紹介する。
著者がかつて一目惚(ぼ)れしたという茶入(ちゃいれ)「えくぼの肩衝(かたつき)」、餡子(あんこ)の緑も鮮やかな主菓子「常盤饅頭(ときわまんじゅう)」…。茶碗はもちろん、水を入れておく水指(みずさし)、香を入れる香合(こうごう)、床の間の茶花、お菓子などを色や柄、たたずまいまで再現した。
やさしく、ぬくもりのあるイラスト73点の絵巻物。いつまでも見ていたくなる。(PARCO出版.1500円+税)