『コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か』西田亮介著

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コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か

『コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か』

著者
西田亮介 [著]
出版社
朝日新聞出版
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784022516954
発売日
2020/07/20
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か』西田亮介著

[レビュアー] 産経新聞社

 客観的数字では国際的に良好な結果を出しつつも、国民の主観的評価は極めて低い日本の新型コロナウイルス対応。なぜこうした実態と認識の乖離(かいり)が生じ、強い政治不信が漂うに至ったのか。気鋭の社会学者が、その理由に迫る。

 鍵となるのは、ワイドショーやSNSなどで拡散される「感染の不安/不安の感染」という現象だ。当初は的確に対処していた政府も、内閣支持率の急落に動揺し、実効性や合理性より「民意」を最優先した場当たり的政策に流されていく。処方箋として説かれる「不安のマネジメント」概念は、今後重要となるだろう。(朝日新聞出版・1500円+税)

産経新聞
2020年8月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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