『コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か』
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『コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か』西田亮介著
[レビュアー] 産経新聞社
客観的数字では国際的に良好な結果を出しつつも、国民の主観的評価は極めて低い日本の新型コロナウイルス対応。なぜこうした実態と認識の乖離(かいり)が生じ、強い政治不信が漂うに至ったのか。気鋭の社会学者が、その理由に迫る。
鍵となるのは、ワイドショーやSNSなどで拡散される「感染の不安/不安の感染」という現象だ。当初は的確に対処していた政府も、内閣支持率の急落に動揺し、実効性や合理性より「民意」を最優先した場当たり的政策に流されていく。処方箋として説かれる「不安のマネジメント」概念は、今後重要となるだろう。(朝日新聞出版・1500円+税)