第14回中央公論文芸賞が決定 吉田修一『国宝』が受賞

文学賞・賞

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 第14回中央公論文芸賞が22日に発表され、吉田修一さんの『国宝』(朝日新聞出版)に決まった。

 受賞作『国宝』は、任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌を持った役者・立花喜久雄を主人公にした。歌舞伎役者として歩むことになった立花は、血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切りを経験しながら、役者への道を極めていく。

 著者の吉田さんは、1968年長崎県生まれ。1997年に「最後の息子」で文學界新人賞を受賞し作家デビュー。2002年に『パレード』で山本周五郎賞、同年『パーク・ライフ』で芥川賞を受賞。2007年に『悪人』で毎日出版文化賞と大佛次郎賞を、2010年に『横道世之介』で柴田錬三郎賞を受賞する。著書に『女たちは二度遊ぶ』『森は知っている』『橋を渡る』などがある。

 受賞作の選評は、10月8日発売の「婦人公論」(10月23日号)に掲載される予定。なお、贈賞式は10月9日に、東京・丸の内の東京會舘で行われる。

「中央公論文芸賞」は、中央公論新社が創業120周年を記念して2006年に創設した文学賞。前年7月から当年6月まで出版された書籍を対象とし、第一線で活躍する作家のさらなる飛躍、新たな代表作となる優れたエンターテインメント作品に与えられる。第14回の選考委員は、浅田次郎、鹿島茂、林真理子、村山由佳の4氏が審査を務めた。

Book Bang編集部
2019年8月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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