『羽田さんに聞いてみた、小さな幸せの見つけ方』
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【聞きたい。】羽田美智子さん『羽田さんに聞いてみた、小さな幸せの見つけ方』
[文] 三保谷浩輝
■シンプルな暮らしのなかで
「友人に聞いて漠然とですが、以前から、52歳を転機に人生の違うサイクルに入っていくんだって思っていました。52歳でエッセーを書くとも決めていて、私が生きてきた道の通り方や考え方が、少しでも誰かの役にたてたらいいなと」
今年9月、その52歳になった。決意通り出版した本書では、女優生活32年を経て、「何となくたおやかに生きていられるのも、私が信念をもってやってきたことがあるから」と今まで大事にしてきたよりどころの数々を紹介している。
たとえば、ふるさとの風景▽「自分とつながって」エネルギーが湧いてくる神社▽「三が日は四つ足とお餅は食べない」や、いい初夢を見るための作法など商家だった羽田家特有の習わし▽身軽でシンプルな暮らし-。風習、言葉などに宿る、目に見えないものを信じ、自然とともに生きる日本人のDNAにこだわりも。
和食中心で一汁一菜の食生活や、電気をなるべく使わず、炊飯器は土鍋、ポットは鉄瓶で代用し、むやみに物を増やさない心がけ、「運を開く拭き掃除」、翌日の出来事のポジティブな結果を過去形で書く「あした日記」…。そんな暮らしのなかで、「私の得意技」というのが「小さな幸せの見つけ方」だ。
「幸せってかくれんぼが好きで、見つけた者勝ち。なくしたときにわかる若さとか、夫婦などけんかする相手とか、当たり前の存在だと思っているところに目を向けるのが小さな幸せを見つける第一歩。それに感謝して、幸せだなと思うと大きな幸せにつながる」
最近、昔のドラマの再放送を見て、思ったという。
「昔の私は肌はきれいだけど、顔は今の方が好き。シワの一つ一つが生きてきた証しだし、年輪ってすてきだなって。気持ちのゆとりにもつながるシンプルな暮らしで、これからも輝いていきたい」(宝島社・1400円+税)
三保谷浩輝
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【プロフィル】羽田美智子
はだ・みちこ 女優。昭和43年、茨城県生まれ。63年にデビュー後、平成6年公開の映画「RAMPO」でヒロイン役に抜擢され、日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。NHK朝ドラ「ひよっこ」などドラマや映画に多数出演。昨年、ネット上でセレクトショップ「羽田甚商店」をオープン。