2020年全米図書賞が発表 翻訳文学部門で柳美里『JR上野駅公園口』が受賞

文学賞・賞

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柳美里さんの小説『JR上野駅公園口』の英訳版「Tokyo Ueno Station」

 米国において最も権威のある文学賞の一つとされる全米図書賞(National Book Awards)が19日に発表され、翻訳書部門で、福島県南相馬市在住の作家・柳美里さんの小説『JR上野駅公園口(Tokyo Ueno Station)』が選ばれた。同部門では、2018年にドイツ在住の作家・多和田葉子さんの「献灯使(The Emissary)」が受賞している。

『JR上野駅公園口』は、ホームレスとして生活する福島出身の男性の生涯を通じて、死者への祈りや日本社会の光と闇を描いた作品だ。著者の柳美里さんは、1968年神奈川県生まれ。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」を経て、1988年に演劇集団「青春五月党」を結成。1993年に最年少で岸田國士戯曲賞を受賞後、1994年に『石に泳ぐ魚』を文芸誌「新潮」に発表し、小説家としてデビューする。1997年には『家族シネマ』で第116回芥川賞を受賞している。2015年から南相馬市に在住。

「全米図書賞(National Book Awards)」は、米国で最も権威のある文学賞の一つ。1950年3月15日に、複数の出版社グループによって創設され、現在は全米図書協会によって運営されている。小説・ノンフィクション・詩・翻訳文学・児童文学の5部門があり、受賞者には副賞が贈られる。

Book Bang編集部
2020年11月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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