第30回紫式部文学賞が決定 中島京子『夢見る帝国図書館』が受賞

文学賞・賞

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 第30回紫式部文学賞が6日に発表され、中島京子さんの小説『夢見る帝国図書館』(文藝春秋)に決まった。

 受賞作『夢見る帝国図書館』は、帝国図書館と昭和生まれの女性二人の歩みを描いた物語。日本で最初の図書館をめぐるエピソードを綴りながら、主人公のわたしの子供時代、そして友人・喜和子の人生に隠された秘密をたどってゆく。

 著者の中島京子さんは、1964年東京都生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒。出版社勤務を経て渡米。帰国後の2003年に『FUTON』で小説家デビュー。2010年に『小さいおうち』で直木賞を受賞する。以後、2014年に『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞、2015年に『かたづの!』で河合隼雄物語賞、歴史時代作家クラブ作品賞、柴田錬三郎賞、同年『長いお別れ』で中央公論文芸賞、2016年に日本医療小説大賞を受賞している。その他に著作に『平成大家族』『パスティス』『眺望絶佳』『ゴースト』『樽とタタン』『夢見る帝国図書館』『キッドの運命』などがある。

「紫式部文学賞」は、女性作家による文学作品を対象とした文学賞。伝統ある日本女性文学の継承・発展と、市民文化の向上に資することを目的として1990年に創設、宇治市と宇治市教育委員会が主催している。第30回の選考委員は、川上弘美、鈴木貞美、竹田青嗣、村田喜代子の4氏が審査を務めた。

Book Bang編集部
2020年8月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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