第28回萩原朔太郎賞が決定 マーサ・ナカムラさんが最年少で受賞

文学賞・賞

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 第28回萩原朔太郎賞が2日に発表され、詩人で会社員のマーサ・ナカムラさんの詩集『雨をよぶ灯台』(思潮社)に決まった。賞の開始以来、最年少での受賞となった。

 受賞作『雨をよぶ灯台』は、2008年に詩集『狸の匣』で中原中也賞を受賞したマーサ・ナカムラが、自由と切迫のはざまで揺れ動く詩を独自の感性で綴った作品。

 著者のマーサ・ナカムラさんは、1990年埼玉県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒。在学中に詩に興味を持ち、2016年に現代詩手帖賞を受賞する。2018年には第1詩集『狸の匣』で中原中也賞を受賞した。

 受賞作の発表と選評は、文芸誌「新潮」(11月号)に掲載される予定。なお、贈呈式は10月31日に前橋文学館で行われる。

「萩原朔太郎賞」は、現代詩を対象とし、最も清新で独創的、かつ完成度の高い作品に与えられる文学賞。同賞は、前橋市が市制施行100周年を記念し、同市出身で日本近代詩に大きな足跡を残した萩原朔太郎の業績を永く顕彰し、日本文化の発展に寄与するとともに、市民文化の向上に資することを目的として1993年に制定される。第28回の選考委員は、佐々木幹郎、建畠晢、松浦寿輝、三浦雅士、吉増剛造の5氏が審査を務めた。

Book Bang編集部
2020年9月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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